時計の針が一周して日付が変わろうかと言うそんな時刻。
誰もが就寝しているようなそんな遅い時間に、足跡を当てないようにゆっくりと歩き芙蓉家のある一室に忍び込こもうとする人影がいた。
薄紫の美しい髪を靡かせまるで暗闇の中で輝く一輪の光のような純白のドレスを身にまとった女性…アイだった。

ガチャ…

ドアノブをゆっくりと回し小さな影が静かに入ってくる。
「お邪魔するね…」
誰にも聞こえないような小さなトーンの女性の声が聞こえた。
部屋に入ってきた女性は、音をたてない様にドアを閉めそして、部屋のベットに熟睡している少年の元へと向かった。
「ん~…」
「良く寝てる…」
女性は寝ている少年の頭を優しく撫でると、少年はくすぐったそうに寝がえりを打つ。
「稟くんって、普段は格好いいのに寝顔は可愛いんだね……ずっとこのまま見てたい」
稟という少年の寝顔に思わずうっとりと陶酔した目で眺め続けていたが、ここに来た目的を思い出した。
(い、いけない。今日は寝顔を見る為に来たんじゃないの)
軽くこほんと咳をし、真剣な表情に変えなにやら呪文の様な言葉を唱え始めた。

 沈黙の時を…
time of a silence…

女性の唱えた直後、周りに薄い幕の様な物が現れて部屋全体を包み込む。
「これで、周りには聞こえないよね」
そう言いながら女性は楽しそうに服を脱ぎ始めその白く麗しい肌を晒してゆく。
そして、下着姿だけになった彼女は稟の布団にもそもそと潜り込んで行った。
………
……

ぺろ…ぴちゃ、くちゅ………
ん…なんだ?何の音だ。
何やら舐めている様な音と下半身から感じる変な感触で俺は眠りから覚めた。
薄眼を開き部屋を見渡すが何も変わった様子はない。
ただ床に、何所か見慣れてた純白の女性の服があるだけだった。
なんだ気のせいか…………………………って、ちょっとまてい!?
寝起きで朦朧とする頭は一瞬そう思いこもうとしたが、明らかな違和感に気づき俺は慌ててばっと身を起こした。
それにさっきから下半身から感じるこの気持ち良い感触。
ゆっくりと視線を下げて毛布に移すと何故か人一人分大きく膨らんでいた。
正確には丁度俺の下半身あたりで、丸く盛り上がっている。
俺は毛布を剥ぎ取り中を覗く。

「くちゅ…あ、稟くん♪起きたんだ~」

そこには、隣の家(魔王邸)に居候して寝てるはずのアイさんが何故かいた。
しかも、下着姿だけの半裸ななんともなめかわしい姿で俺のイチモツを口に含みながら。
「………アイさん。何してるんですか?」
「何って夜這いだよ」
直球なその返答に思わずくらっと眩暈を覚え倒れそうになる意識を持ち前に精神力で繋ぎとめて再びアイさんに振り向いた。
「夜這いって…・アイさん意味分ってます?」
「うん、もちろんだよ。好きな相手に、何時でもHを求めて行って良い行為だよね。」
「…それ誰から聞きました。」
「殿下…じゃなくて魔王さまから」
やっぱりか…
頭を抱えて項垂れている俺に、アイさんは不安な顔をする。
「もしかして…違ってたの?」
「いや、違ってるような合ってるような…」
「で、でも。こっちに来てから稟くんと中々二人っきりになれなかったから、私は良いと思ったんだよ……もしかして、稟くんはもう私の事好きじゃ無くなったのかな」
不安で薄らと潤ませた瞳を俺に向けながら、悲しそうに見つめてくる。
「そんな事無いですよ。アイさんの事は今でも好きですよ」
「本当?」
「はい、わざわざ俺に会いに来てくれたのは嬉しいぐらいですし…ちょっとびっくりしましたけど」
「嬉しい……稟くん、大好き」
嬉しそうに俺の胸にぎゅっと力一杯抱きしめてきた。
あーなんでこの人はこんなにも可愛んだろう………
そしてしばらくそのままで居ると、アイさんは俺から離れて満点の笑顔でこう言ってきた。
「じゃ、続き良いよね?」
「は?何のですか」
そう言ってアイさんは、もう一度俺の股間に手を伸ばす。
思わずアイさんの滑らかな手の感触にビクッと反応する。
「ちょっ!?アイさん!」
「何ってさっきの続きだよ?」
期待を込めた目で俺を見つめるアイさんに俺は思わず『良いですよ』と言ってしまいそうになる。
正直それでも良いかなーと内心天秤がそっちに傾いてるが、だがここの家には楓やプリムラもいるのだ。
もし聞こえて来られでもしたら、どんな展開になるかは想像したくない。
「まずいですって、この家には楓やプリムラも居るんですよ。聞こえたらどうすんですか…・」
「ふふふっ、大丈夫だよ。」
俺の問いに唇に指を当てて不敵に笑う。
「この部屋だけに、サイレントの魔法をかけるから窓を開けない限り外に声は一切洩れないよ」
「ぶっ!?何時の間にそんな呪文を…・」
「だって、稟くんと会うの20年ぶりなんだよ。それに人間界に来てから一度も稟とHしてないし…それとも、稟くんはこんなおばさんじゃ抱く気は起きない」
貴方の何処をどう見たらおばさんに見えますか…・
どっから見ても20代にしか見えないアイさんに色々突っ込み所満載だけど、女性にそこまで言われて何も感じないほど俺は紳士ではない。
むしろ、正直に言うと男の本能がさっきからアイさんの甘い香りに誘われ唸りっぱなしなのだ。
俺は、アイさんの手を取りそのまま引きよせ唇を奪った。
「ん…・」
「ん…そんな事ないですよ。あの時と変わらずアイさんは綺麗のままです…ずっと抱いていたいぐらい魅力的ですよ」
「本当に」
「ええ。じゃなきゃ俺もこんなに反応はしませんよ」
アイさんが先ほどから触れてる俺のは彼女の思いの答える様に、既に熱く充血していた。
「わぁ。本当だ…こんなに稟くんの熱い…」
「正直、やり始めると自分を抑えられる自信が無いんですけど、それでも良いですか?」
「うん、良いよ来て稟くん。一杯アイを愛して」
そう言って幸せそうに微笑む彼女をベットに寝かし俺は覆いかぶさった。

「相変わらず、凄いですね。アイさんの胸は…・」
「稟くんに喜んで貰えるなら、私は嬉しいよ。それに、この胸は稟くん専用だよ。いくらでも触ってね」
そう言って自分の腕で胸を寄せて俺に見せつける様に強調する。

ゴクッ…・

只でさえ大きい胸はさらにその迫力がアップして俺は思わず生唾を飲み込んだ。
別に俺は巨乳フェチとか言うわけでもないけど、これは健全な男なら確実に目を奪われる事必須だろう。
ネリネと負けず劣らずの胸を、俺は初めて触れる時の様な緊張を覚え恐る恐る触れた。
「ん!…」
そっとブラの上から胸を触れただけなのに、敏感にアイさんは反応する。
「ち、力を入れすぎました?」
「ううん、平気だよ。稟くんに触れてもらって喜んでるだけだから、気にしないで…ね、もっと触って」
潤んだ瞳で俺を見つめ求めるアイさんの一言に俺の中で理性の緒がぶつりと切れた気がした。

「アイさん!!」
「きゃ!?」


ブラを上にずらしアイさんの胸を、激しく揉みしぐしその形を変えていく。
時折、乳首なども指で摘み刺激をしてアイさんの反応を楽しむ。
「ん!…凄い、よ…稟くん・・もっと、愛して……」
激しく愛撫をする俺に、恍惚とした表情でおねだりをしてくる。
それだけで俺は、興奮をしてさらに劣情に勢いが点く。
「ん…」
「あ、稟…くんっ……」
俺はさらに片手で胸を揉み続けながら、口を使って乳首を刺激する。
乳首の全体を舐めながら時折甘噛みをする。
先ほどよりも激しい愛撫にさらに反応を強めるアイさん。
「ん!?あ、そんなに激しくしたら、駄目だよ。稟くん、もう私…い、いく!…いっちゃ…」
「良いですよイって下さい。ちゃんと見ててあげますから」
「稟くん、稟くん!り・・んくっん!!!…・・」
もう限界の近いアイさんは俺の頭を抱え込み、体を小刻みに震える。
そして一際大きく俺の名前を呼び、アイさんは絶頂を迎えた。
「り…んくん!!!……………」
ビクビク体を震わせて、アイさんは絶頂の余韻を味わっている。
それでも、俺を抱える腕は緩めずアイさんの鼓動と体の震えを直に感じていた。
俺も、アイさんの腕を振り払わずにアイさんの胸に埋もれたまま顔をアイさんの方に向ける。
「もう・・稟くん。ちょっと激しくし過ぎだよ、私もういっちゃった」
ぷくーと頬を膨らませて可愛く怒る仕草をしていた。
「いやだって、アイさんも激しくしていいて言ったじゃないですか」
「言ったけど…・久々なんだし、もっと稟くんの感触を味わっておきたかったよ」
「えっと…その……ごめんなさい」
そんな嬉しい事を言うアイさんに俺は、照れて頬を染め謝る事しか出来なかった。
この人は、何でこんなに男心をくすぐるセリフを言えるんだろうか。
「もう、そんな意地悪な稟くんにはお仕置きだよ…えい!」
「うわぁ!?」
アイさんは抱いていた腕を緩め俺の肩に手を置き、そのまま押し倒した。

「んふふふっー、今度は私の番だよ稟くん♪」
アイさんは意地悪そうに笑いながら俺の股間に手を伸ばす。
「稟くんもこんなに興奮してるんだね。さっきよりも硬くて大きくなってるよ。嬉しいな~♪…」
「それりゃアイさんのあんな姿を見せられればこうなりますって。」
アイさんの言った通り俺のイチモツは先ほどよりも興奮していた。
誰だってアイさんみたいな美人のあんな姿見たらこうなるのは、男として当たり前だと思う。
これで反応しないのは、男色かイ○ポだろう。
「稟くんのって本当大きいよね…・」
「そう…ですか?俺には分からないですけど」
「うん。私も他の人には見た事ないから分からないけだどね」
…それよりも、あんまりまじまじと見られると恥ずかしんですけど。
俺は恥ずかしさに、視線を逸らすがアイさんは嬉しそうにツンツンと俺の陰茎を突く。
「それに、可愛いよ。リボンでも付けてみようかな~」
「…やめてください」
「えー、凄く可愛いのに……」
褒められるのは嬉しくはあるんだけど、流石に自分のチ●ポにリボンが付いた姿なんて想像したくない。
「稟くんのを可愛くコーディネートするのは今度として置いといて、今は美味しく頂くね」
て、諦めてないんですか!?
「あむっ…」
「くっ!?」
そんな一抹の不安を感じつつも、アイさんの口の感触に全身がとろけそうになる。
「ぺろ…くちゅ…ちゅ…ん……」
俺の陰茎をお口いっぱいに頬張り口内全体でその形を味わってるみたいにねちっこく舐めてくる。
「ん、ちゅ…りんふゅん、ろうおはな?」
「あ、アイさん。口に入れたまま喋らないで…」
「ちゅ…・あ、ごめんね。で、どうかな?」
「とても気持ちいいです」
「本当に?」
「はい。もっと味わいたいぐらいです」
「うん。それはもちろんだよ♪じゃ、もっと続けるね」
俺に喜んでもらえたのが嬉しいのか、嬉々としてもう一度口を大きく開けて咥えた。
再び陰茎に感じる快楽が全身に行きわたり、俺は何度も意識が飛びそうになる。
「んちゅ、れる…れろ…ぴちゅ…」
時折上目つかいで見ながら、気持ちよさそうに反応をする俺に嬉しそうに目を細める。
俺もそんなアイさんが愛おしく感じて来て、アイさんの長く綺麗な髪を梳かす様に頭を撫でる。
そんな俺の行為に更に嬉しくなったのかアイさんは益々激しくフェラチオを続ける。
「ちゅ、ぴちゅっ…ぱちゅ!…・んぐ……ぺちゅ!…」
「あ、アイさん俺もう!?…」
限界が近い俺はアイさんの方を見るが、見つめるその眼は『このまま出して』と語ってる様だった。
結局俺はその欲求に抗えずそのままアイさんの口の中で絶頂を迎えてしまった。
「くっ!?」
「ん!?んー!!くちゅ……んちゅ…・んはぁ…………ちゅ…」
俺は無意識の内にアイさんの頭を押さえて喉深くに陰茎を突き入れて射精を続けてしまう。
アイさんの口内射精のあまりの気持ち良さに思いのほか多く出た精液が、アイさんの口の中で暴れていた。
アイさんは少し涙目になりながらも、必死に俺の精液を口の中で受け止めて静かに離れる。
「ご、ごめん、アイさん。そんな無理しなくても良いんですよ。ほら、吐き出して。」
俺はティッシュを取って、アイさんに差し出すがアイさんは首を横に振った。
「んーん。…んちゅ…んぁ……ぷはぁ…稟くんの濃すぎだね。飲み込むの大変だよ」
「アイさん吐きだしても良かったのに…何で?」
「だって、何十年も待ちわびた稟くんの味だもん。そんな吐き出すなんて私には出来ないよ」
目に涙を浮かべ口から飲み込みきれなかった俺の精液を微かに垂らしながらも、にっこりと幸せそうに微笑む。
それだけで俺の胸の中は、アイさんの愛しさで一杯になった。
俺にしてみれば彼女に会ってなかったのはほんの数日だが、アイさんにしてみれば何年何十年の長い歳月を、俺だけを思って来てくれたのだろう。
彼女ならきっと俺なんかより、良い人はきっと見つかるだろうに…

一体どれ程の期待を胸に秘めながらその年月を過ごして来てたのだろうか。
一体どれ程の不安を感じながらその年月を過ごして来てたのだろうか。

会えるかも分からない、俺の事をただひたすら思って俺に会う事だけを望んでここに来た彼女。
こんな美しい女性がそれだけ俺を、思ってくれた事は本気で嬉しいと思う。


「アイさん」
「稟く…ん、ちゅ…」
突然のキスに驚くアイさん
「ちゅ…稟くん。今は口が汚れてるから…」
「アイさんに汚い所なんてないですよ……ん」
離れた唇をまた重ね合わせて、俺は彼女と長く激しいキスをする。
彼女の、思ってくれた年月分の気持ちを埋める様に。
彼女が、俺なんかを選んでくれた気持ちに答える様に。
それが彼女に選んでもらえた俺が出来る唯一の行為だ。

「俺もう、アイさんの中に入れたいです…」
「うん良いよ。来て、稟くん」
既にアイさんの愛液で濡れそぼったショーツを脱がし、俺の陰茎を膣口にあてがう。
「行きますよ」
「コクッ…・」
彼女の合図と共に、俺は一気に中まで突いた。
俺の陰茎が膣内を刺激するたんびに、アイさんはびくびくと反応をする。
「大丈夫ですか、アイさん?」
「うん…久々だから、体が敏感になってるのかな?でも凄く気持ちいいよ」
きっとあれ以来行為は一切してないだろう、彼女の膣内は、まるで処女の様な締め付けだった。
只入れているだけでも彼女の膣内は、キュキュと締めあげて来てそれだけでも俺は果てそうなぐらいの快楽を味わっていた。
「もっと動いて稟くん、私の中を稟くんで一杯にして…」
「分かってます。ゆっくり動きますね」
俺は、アイさんの足を掴みゆっくりとストロークを続け彼女の中を刺激する。
それでも、腰を打ちつける度にぱちゅぱちゅと卑猥な音が俺の部屋に響き渡る。
「あ!良いよ稟くん。気持ち良いの…もっと、もっとして、…もっと」
彼女の求めに答える様に、徐々に激しく体を刺激し快楽を与える。
胸を揉みながら、
陰核を刺激しながら、
体中にキスをしながら、
俺の全ての行為にアイさんは悦びを感じてるかの様に体を震わせる。
「稟くんのおちんちん気持ち良いよ♪…あ、私のオマンコに、稟くんのおちんちん出たり入ったりしてる!…わ、私、凄くっ!」
「あ、アイさん!?アイさん!アイさん!!」
普段の可憐な印象のアイさんからは想像も出来ないぐらい、卑猥な言葉がアイさんの可愛い唇から発せられる。
それだけで俺の、興奮は最高潮にまで達して何度も何度もアイさんの名前を呼びながら激しく膣内を刺激する。
「稟くん私もういっちゃうよ、いく…」
「は、ハイ俺ももう限界です…」
限界の近い俺はアイさんの腰を掴み彼女の奥深くに突きいれようとしていたが、アイさんはそんな俺の手を取り自分の顔に引き寄せる。
「お、お願い稟くん。最後は、稟くんの顔を見ながらイかせて、稟くんのキスでイかせて♪…・」
「あ、アイさん!」
恍惚としたアイさんの瞳に誘われるように俺は彼女にお願いに応え、キスをしながら腰を打ちつける。
「ん、…んちゅ…んあ…いく、いくいちゃう!!…」
「ん、…俺も、イク!!」
「ん!!んーーーーーーーーーーーーっ!!??」

ドプドプッドクッ!

アイさんにキスをしながら、俺は彼女の奥深くで果てて精液を流し込む。
俺の精液がアイさんの中に流し込まれるたびに彼女はビクビクと反応をする。
その絶頂の余韻の間でも俺達は、決して離れずキスをし続けていた。
(稟くん。私、今とても幸せだよ…)
幸せそうに目に涙を流す彼女の心の声が俺は、ふと聞こえた気がした。


「ん、んちゅちゅ………はぁ…私の中稟くんの精液で一杯だよ」
「そうですね。アイさんの中も、まだ俺のを締めつけてきてますよ」
長くキスをしてたせいか、俺とアイさんの唇が離れた後も唾液の糸が出来て繋がっていた。
あれだけ射精した後なので俺のも固さは失っているが、未だアイさんの中に繋がったままでいるので彼女の体温が陰茎から直に伝わってくる。
「稟くん、二回目なのに凄い量だね。お腹の中一杯だよ。……もしかして、リンちゃんとはしばらくしてなかった?」
「い、いや。そんな事はないですけど、アイさんがあまりに可愛かったので遂、我慢が出来なくて…」
「そうなんだ」
俺の言葉に嬉しそうにクスクス笑う。
「ふふっ、ありがとう稟くん」
ちゅっと可愛く俺の頬にキスをしてくれた。
その可愛らしい行為に、思わずドキッとして俺の陰茎が反応をしてしまった。
「あ、稟くんのまた硬くなってきてるよ…」
「ごめんなさい…」
これは何と言うか悲しい男の性というものです。
さっきあれだけ激しくしたのに俺の陰茎は、アイさんの可愛さにまた硬さを取り戻しつつあった。
「あは、稟くんは狼さんだったんだね。知らなかったよ」
「う、返す言葉もないです」
俺は、かなり恥ずかしくなってきて彼女の顔をまともに見れなかった。
恥しくて俯き顔を伏せる俺にアイさんは、その豊満な胸に優しく抱きよせて来た。
「別に、気にしなくても良いよ。稟くんだったら、私ならいくらでもOKだから。それに、前にも言ったけどね……女の子にも性欲ってあるんだよ。だから………もっとしよう」
俺の頭を優しく撫でるアイさんは恥ずかしそうにだけど、期待した微笑みをする。
そんなアイさんに俺はまた我慢が出来ずにもう一度覆いかぶさり2度目の性交へと移り、今宵の甘美な夜の宴は遅くまで続いた……・

そして翌日…
「おっはよー稟くん☆」
「おはようございます稟様」
「シア、ネリネ、おはよう」
「おはようございます」
家から出て待ち合わせるシアとネリネの二人に、俺と楓はいつもの様に挨拶をして通学路へと向かった。
ちなみに、アイさんは昨晩の情事が終わり空が白み始めた所で魔王邸の方へと帰って行った。
情事の時に部屋にこびりついた匂いは、アイさんの魔法で消してあるので楓には一切気付かれてはいない筈だ。
一応シャワーも浴びたので体の匂いもどうにか、ごまかしは出来てるはずだが………
だけど、家からしばらく離れた所でネリネは何時もの控えめな声を上げながら、俺の制服の裾を引っ張ってきた。
「どうしたネリネ?」
「あの…稟様。昨晩、アイさまと何してらしたんですか?」
「…はい?」
突然のネリネの言葉に、ショックを受けて俺はあんぐりと口を開けて唖然とした表情になる。
ナニヲイッテルノカナ?
「…今日のアイさまがとてもご機嫌でしたし、それにアイさまとすれ違う時稟様の香りを微かに感じましたので………」
「あ、あはははは」
少し頬を赤らめながらそう話すネリネに、俺は笑って誤魔化すしかなかった。
そんな俺の態度に全てを理解したのか、ネリネは寂しそうに目を細め見つめてくる。
「やっぱり………もしかして稟さまは、私よりアイさまの方が好きなんですか?」
「い、いやそんな事ないって。ネリネの事も好きだよ」
「本当ですか?」
「ああ」
「でしたら……今夜はアイさまにした事も私にも同じ風にしてくれますよね?」
「えぇ!?ね、ネリネさん」
そう言って離れるネリネはどこか意地悪な顔をして微笑んでいる。
「アイさまだけなんてずるいです。今度は私が“夜這い”に行きますから、お願いしますね……稟さま」
恥ずかしそうに頬を染めながら告げるネリネだったが、彼女は“夜這い”という言葉の意味を知っているのだろうか?
いや、彼女の事だから教えてもきっと来るだろう。
どうやら、今晩も夜這いと言う夜の宴が始まるようだ。
俺の体、持つかな………と不安に思いつつも俺の体は正直もので期待で膨らませていた。
色んな意味で。

~End~








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