――日曜午前9時前――

俺は駅前に来ていた。
かれこれ30分前ぐらいから、ここに居る。
何故、休みの日なのにこんな早くここに所に来てるかと言うと理由は簡単だ。
今日は、ちゃると初めてのデートなのだ。
いや、正確には付き合うようになってからという方が、正しいかもしれない。
学校帰りにはよく会うのだが、どうにも気恥しく今までは休みの日にデートを誘う事が出来なかった。
そんな情けない俺に吉岡さんとかには、“センパイの、ヘッキー!”とか何度も怒られてもしていた。
俺も、誘いたかったが今までデートと言うものをした事が無いのでどうしても気負いしてしまう。
そんな時、たまたま本屋で雑誌を見ていたら、丁度前の強制デートの時にちゃると見ていた映画の続編が出る記事を見つけた。

これだ!!

俺はそう思いたって,次の日の学校帰りにちゃるをデートに誘ってみた。


『ね、ちゃるは今度の日曜・・・暇?』
『うん・・・暇』
『じゃさ・・・これに行かないか?』
そう言い俺は映画のチケットを見せた。
『前の時、これを気に行ってたよね。その続編みたいなんだ。よかったらなんだけど・・・・』
『・・・・・・』
『ちゃる?』
なぜか無言で俺を(正しくは俺の持ってるチケットを)じっと見ている。
『行く』
『そっか。じゃ待ち合わせは・・・・』



ちゃんと誘えるかとか、ちゃるは受けてくれるかとか、ずっと悶々としてたがあっけなくデートを誘う事には成功した。
こんなに簡単に出来るならもっと、早くに誘ってれば良かったなと思う。”ヘッキー”は、いい加減卒業しないとな。
そして、その後に待ち合わせ時間と、場所を決めて今に至る訳だ。
腕時計を見ると、待ち合わせの時間まであと少し。そろそろちゃるが来る頃だとは、思うんだけど。
ちゃるは、結構きっちりとしてるから、きっと時間丁度に来るだろうなー。
そう色々考えながら、そわそわしていると突然、

「だーれだ」

と、突然目を塞がれた。
この声・・・・・・・・て、言うかこんなことを俺にするのは、一人しかいない。
「ちゃるだろ」
「正解」
ぱっと、手が離される。後ろを振り返ると、微笑んでるちゃるが居た。
「おはよう、センパイ」
「うん。おはよう、ちゃる」
普段のちゃるなら想像もつかない可愛い仕草だが、付き合ってみると以外にこの娘は茶目っ気が高くかなり可愛い行為を良く起こしてくれる。
俺としては、ちゃるにこうゆう事をされるのは嬉しい限りなんだけど、たまに暴走し過ぎてやり過ぎの時もあるからたまに傷だが。
でもま、そこがちゃるらしいと言えばらしいしそこが俺がこの娘を好きになった理由でもある。
「センパイ、来るのが早い」
待ち合わせの時間までは、までは少し余裕があるから、俺が来てるとは思ってはいなかったのだろう。
何時ものポーカーフェイスだから、全然驚いた風には見えないけど。
「そういうちゃるこそ、早いじゃないか。」
「うん。先輩と少しでも早く会いたくて」
「俺もそうだよ」
二人して、そっと笑い合う。
「ふふっなら一緒だな」
「ああ、そうだな。一緒だ」

時計を見ても、約束の時間より幾分かは早い。
ちゃるも、俺との同じでデートが待ち遠しくて早く来てくれた事が嬉しくそう思うと自然に心は弾む。
「時間はまだ早いけど、行こっか?」
「うん」
そう言い合い、自然に俺は手を差し出すが、ちゃる首を振り俺に身を寄せてきた。
「こっちの方がいい」
俺の腕に自分の腕をからめてきた。
腕に柔らかい感触を感じて少し恥ずかしいが、ちゃるがこっちの方が良いなら別に構わないだろう。
「それじゃ、行こっか」
「ん」
俺と腕を組むのが嬉しいのか、ちゃるは何時も以上にニコニコしながら俺達は映画館へと向かった。

そして、幸せの空気を振りまく二人から数m離れた茂みの中に見守る(?)ようにゴツイ影があった。
「お嬢~~・・・・・」
嬉しそうに、涙を流す男。
その顔は泣いていても普通に怖い。
それを見てしまった通行人は、恐怖のあまり逃げ出す程だ。

予定よりも早く着いたお陰で、映画館の客の入り様は多くはなくすんなりと入場が出来た。
席も見やすい所を取れたので良かっただろう。
「ちゃる、なにか飲み物とか要る?」
フルフルフル。
言葉には出さずに首を横に振る。
この映画が楽しみなんだろうか、さっきからあまり落着きが無い。
こんなちゃるは珍しい。
「映画、楽しみだね」
コクコクコク
今度は、首を縦に振る
その動作が可笑しくて俺はつい笑ってしまう。
「?」
「いや、なんでもないよ。・・・・・・・・お、始まるみたいだな」
俺の態度が少し気になったのかちゃるは首を傾げ、怪訝な表情で見るが映画が始まると同時にスクリーンに集中した。
・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
しかしやっぱり、この映画は微妙だ。今度ちゃるにこの映画の何が気に行ったのか聞いてみよう。



映画も見終わり、俺達は商店街の方へ歩いていた。
お腹も減ってきたし時間的にも良い時間だろう、お昼にするには丁度いい。
俺達は歩きがてら見つけたカフェで、食事をする事にした。
「ちゃるは何を食べる?」
「ん」
なにか真剣な面持ちでじっと、メニューを見つめている。
ここには、洋食だけだがその分メニューの数が多い為、何を食べるかは悩み所なんだろう。
それにしては、悩み過ぎな気がするけど。
結局ちゃるは、カルボナーラにしたみたいだ。
二人とも決まったので、店員を呼ぶ。
「すみませーん。注文良いですか」
「はい。ご注文を承ります」
「えっと…俺は、ミートスパゲッティーとこっちの娘はカルボナーラでお願いします」
「はい。かしこまりました。お飲物はどうされますか?」
「飲み物か・・・・俺は烏龍茶で良いです。ちゃるはどうする?」
ちゃるもコクと頷く。
どうやら俺と同じもので良いらしい。
多少はちゃるの表情が読める様になった俺も彼女と付き合いが長い証だろうか。
「じゃ烏龍茶を二つでお願いします」
そうして注文を終えてウエイトレスを下げようとしたが、ちゃるが呼び止める。
「これも、注文お願いします」
ちゃるが、店員を呼びとめてメニューを指さす。
「こちらですね。かしこまりました」
「持ってくるのは、一番後でいいから」
「かしこまりました。それでは、少々お待ちくさい」
お辞儀をし、下がるウエイトレス。
しかし、気になる。ちゃるは一体何を追加注文したかだった。
「ちゃる、何を注文したの?」
「ん、内緒」
「そう言われると余計気になるんだけど・・・・」
「後で分かるからその時の楽しみ」
うーん・・・・かなーり気なるが・・・・ま、後で分かると言ってるし俺もそんなに気にしない事にした。
でも、顔は何時もの無表情なのになーんかちゃるの口元が何処となく意地悪げに微笑んでる(様に俺は見える)のが気になる。
いったい何を注文したんだか・・・


さっきの映画の話や、学校での事に花を咲かせつつ、注文した品で腹が膨れた頃さっきちゃるが注文した物を店員が持ってきた。
それは・・・・・・・・・・・・・・・・・パフェ?
クリームやチョコ、クッキーなど盛ってあって何所からどう見ても普通にパフェだった。
「ちゃる、パフェ食べたかったの?」
フルフルフル
微かに首を振るちゃる。
自分が食べないならどうして注文をしたんだ?
と、考えていると

「あ~ん」

!!
ちゃるが俺に対して、クリーム載せたスプーンを差しだしてきた。
「ち、ちゃる?」
「あ~ん」
じっとこっちを見つけて「食べて」という目をしている。
なんかこの展開、デジャブーを感じるんだけど・・・・・・
かなり恥ずかしいが、ちゃるに見つめられると嫌と言えない自分が居た。
うぐっ!?仕方がない。

パクッ
もぐもぐもぐ

「美味しい?」
「うん。美味しい」
正直、恥ずかしくて味なんか全然分らん。
俺の顔はきっと真っ赤だろう。
俺の反応が満足なのか、ちゃるはそのままクリームをすくい自分の口に入れる。
「ん。美味しい」
「ちゃるはこれがしたかったの?」
「うん、前にカップルがこうしてるのを見てしてみたいと思った……嫌だった?」
「い、いや嫌という訳じゃないけど……さ。ちょっと恥ずかしいかな」
「大丈夫、私も一緒だから」
ニコっと笑う。
その可愛さに、ぼーと見惚れていた。
そしてもう一度パフェを口に含む。
て言うか、それって俺が口をつけたスプーンじゃ……
「あのさ、・・・ちゃる、それ俺の口をつけた奴だけど良いの?」
何となく反応は予測出来るが聞かずにはいられなかった。
「ん?あ……でもセンパイだから全然OK」
と、やっぱりと言うか即答されてしまった。
ま、前も似たような事やってたもんね。
聴くだけ野暮と言うものか。
恥ずかしさで緊張した喉を潤すために残ってた烏龍茶を飲む。
しかし、ちゃるの言葉はこれだけでは終わらなかった。
「むしろセンパイの味で、さらに美味しさアップ」

ぶーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!

流石にこれには、吹いた。
「ち、ちゃる。公衆の面前でそうゆう大胆な発言は止めような」
ふと、視線を感じ周りを見回す。
昼時だから、結構な人が居る。
周りを細かく見るとなんかこっちを見てひそひそと話してる人やら、クスクス笑ってる人などちらほら。
あー!そこ、こっちを見て指さすな!!
ちゃるはちゃるで“なにかおかしい事言った?”みたいな不思議な顔をしている。
あーそうなんだよ、ちゃるはこうゆう行為ではあまり周りが見えない子だったよ・・・・・
「センパイ、あーん」
こんな微妙な空気もお構いなしに、またちゃるはスプーンを差し出してきた。
ちゃるに対して”嫌”と言えない自分ですでに勝敗は決しているだろう。
・・・もう俺は覚悟を決めるしかないと思った。
ちゃるがこうゆう子なのは知ってるし、ちゃるが気にしないならこっちも気にしたって仕方がない。
俺だって決して嫌なわけではないのだから。
だから俺は、無理やりの理屈を述べて周りの視線をシャットダウンした。
普段から、こうゆう目に合ってる俺だから出来る技でもある。
「あ、あーん」

パクっ

「……ちゃる貸して、今度は俺がやってあげる。」
「ん」
もうこうなったら毒を食らうならお皿までだ。
俺だけこんな目に会うのは、理不尽だ。
半分俺はやけくそ気味にちゃるのスプーンを取る。
俺の言葉が嬉しかったのか、顔をどことなくほころばせながら口を開けて待っている。
「はい。あーん」
「ん、美味しい」
「そっか」
「次は先輩の番」
俺からスプーンを取って今度は俺に差しだす。
そうしてこの“あーん”行為はパフェがなくなるまで、交互に続いたのであった。
俺の口の中以上に、今の二人の雰囲気は檄甘だろう。

しかし、店の奥のテーブルでは、そんな甘い雰囲気とはかけ離れてた雰囲気を出していた。
「お嬢と坊を笑うとはいい度胸だ・・・・後で全員地獄へ送ってやる・・・・・」
必死に怒りを抑える男の鬼の如き呟きが聞こえた周りの客は恐怖のあまり、ガクガク震えていた。

「センパイ。このあとまだ時間はある?」
「うん。大丈夫だけど」
カフェから出た後は、ぶらぶらと色んな所を歩き回ってていたが、時刻は結構な時間だ。
「何所か行きたい所あるの?」
「うん。ハナの店に」
「ハナさんの?」
時間的には、まだ夕飯には早い時間だが小腹でもすいたのだろうか。
「ちょっとセンパイに見せたいものがある」
「俺に?」
コクッと頷く。
俺に何だろう?何も思いつかないが・・・ま、ちゃるがそう言うなら行ってみよう。
「じゃハナさんの店に行こっか」
「ん」
そう言い合い俺達はハナさんの店に向かった。


「はい、いらっしゃ・・・と、お嬢ちゃまと坊ちゃんじゃないか」
いつの間にか俺はここでは坊ちゃんと言われている。
ハナさんだけではなく、ロクさんやちゃるの家の人にはほとんどそう言われてるが。
なんか慣れない呼び方に、こそ痒くはある。
「例のあれ、センパイに見せにきた」
「そうかい。じゃ、奥に上がって行きな。今なら、まだ客は多くないし少しぐらい騒がしくても大丈夫さ……お穣ちゃま、頑張れ」
「ん、大丈夫」
ちゃるには珍しく顔が何処となく赤い気がする。
それに、いったい何の話だ?
なんか気になる単語が、いくつかあった気がするが。
頭に“?”マークを浮かべている俺に、ハナさんは
「坊ちゃんも、楽しみにしてなよ」
「へ?」
とポンと肩を叩かれた。
一体何が楽しみなんだ。
意味が分からないが、ハナさんの顔は何処となく含みをおびている。
なんかあるのは確実なんだけど・・・・なんだ。
「センパイ、早く」
「あ、ああ。すぐ行く」
一片の不安が残ってるが、一端それは隅に置いといて奥に行くちゃるに慌ててついて行く。

「センパイはここで待ってて」
俺は奥の部屋まで連れてかれて、ちゃるは1人でどこかに行ってしまった。
一体何が、始まるんだか・・・・・ちゃるの事だから相当突飛している事なんだうけど・・・・何だろうな。
どれだけ、考えても碌でもない事しか浮かばない。
「ちょっと不安だけど………なんだろうな。また屋台の事かな?」
それならそれでいいが、俺の勘がそれではなく決してまともな事が起きないと警鈴を鳴らしている。
ま、取って食われる事はないだろうし、大丈夫だろうと無理やり不安を押しこめる。

「むしろセンパイが食べちゃう?」

「いや、流石にそれはないと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うぉ!?ちゃる、いつの間に!!」
いつ間に来てたのやら後ろからまるで俺の心の代弁が聞こえ思わず素っ頓狂な声をあげた。
慌てて振り返る俺だが、それを見たとき俺は固まってしまった。
「センパイ?」
・・・・・・・・・・・はっ!?しまった。つい見とれてしまっていた。
「あのー、時にちゃるさん。何故にその様な格好をされているのでしょか?」
あまりの展開に俺の口調までおかしくなっていた。
それもそうだ。
さっきまで、可愛いワンピースの服を着ていたちゃるが、なぜか今は”メイド”の格好をしているのだ。
しかもここぞとばかりフリフリのヒラヒラだ。
あーでも、可愛いからこのままでも良いかもしれない・・・・ってそうではなくて!
頭の中で不毛な事を考えていると、ちゃるが淡々と答えた。
「前にセンパイのメイドになると言ったから作った」
「は、はい?」
あれ?俺、そんな事言われたっけな?
記憶を遡ってみるが思い出せない。
「俺そんな事、言われた・・・・・・かな?」
迷いもなく、コクっと頷くちゃる。
正誤がどうであれちゃるが嘘を言うなんて事はあり得ないけど、どこかちゃるの話は突き抜けてる時があるからな。
「本当に言われた?」
コクっ
「何時?」
「前にセンパイが、顔面神経痛でズル休みした時」
ぶっ!?どこか言葉に刺がありませんか、ちゃるさん。
ま、悪意は感じないから素で言ってるんだろうけどね。
それにしても、そん時は確か朝にこのみが来てシルファちゃんに適当な理由で追い返してそれからちゃる達が来てから・・・・・・・・・・・・・あーーーー!!あの時!!!


『センパイこの子頂戴』
『ダメだって。預かってる大切な子なんだから』
『じゃ、この子と一緒にセンパイのメイドになれば無問題?』
『いや、それは・・・・』


あー確かにあの時言われてた気がするが・・・・まさか本気で思って?
そう考えるとちゃるがメイドになっても良いっかとか、いや人としてダメだろうとか色々と悩んでしまう。
俺が、一人で頭を抱え葛藤していると、
「センパイ悶えてる」
「ち、茶化すなって」
「うん。でも本当はこれ、センパイのメイドさんに、着せたくて作った服」
「あ。そ、そうなんだ……俺のメイドになる為に作った訳じゃないんだな。そっか……ははは、はぁ……」
心の中で安堵のため息を漏らす。が、心の隅で残念がってる自分が居た。
本気じゃ無かったのが喜んで良いのか、悲しんで良いのかなー。
その俺の見るからの落胆ぶりが、予想通りで嬉しいのか口元をピクピクと釣りあげながら、ちゃるは寄ってくる。
「センパイ・・・・残念がってる?」
「え、いやそんな事はないぞ」
段々と近づいてくるちゃるに俺は焦り、少しづつだが壁際に追い詰められていく。
「本当?」
「え、いや、その・・・・」
そうして俺は壁際まで追い詰められて一歩も後ろに引けなくなった。
段々とちゃるとの距離が近づき。
そして、ほとんど抱きあえる位の距離まで二人は近くなっていた。
「センパイ」
言葉数は、少ないがその眼はからはちゃるの気持ちが伝わってくる。
”本当の気持ちが知りたい”
そんな目で見られたら俺は・・・・・
俺は、かなりドキドキしがらもその思いに答える。
「そりゃ・・・・・・・・残念だよ。こんな可愛い子に面倒を見てもらえないんだからさ」
と、本音で答えた。
その言葉でちゃるの中ではスイッチが入ったのか、近かった距離を自分で縮めてきた。
「センパイ・・・ん・・・」
「ん!?・・ちゃ・・る・・・」
そのままキスをしてきた。
「ちゃる……いきなり何を」
「……先輩さえ良かったら、何時でもメイドになる」
「ちゃる……」
「肉奴隷でも、性奴隷でも良いよ?どっちが良い」
「はは、流石にそこまでは良いかな………でもありがとう嬉しいよ。ちゃる」
ちゃるなりの一途な思いに嬉しくなり、今度はこちらからキスをし唇を合わせる。
クチュクチュと互いの唾液の音がなり響く。
何度もちゃるとキスを続けて行く内に俺の方も段々スイッチが入り止められなくなっていった。
「ちゃる・・・俺我慢できそうにないけど続きしても良いかな?」
「良い。・・・センパイとならどんな時でも、どんな事でもできる」
そう言うちゃるがとても愛おしく思え、俺はちゃるを床に倒しゆっくりと覆いかぶさった。

「ちゃる・・・」
少しづつ、ちゃるの体をまさぐる。
足から腰回りや胸元、首筋と優しく撫でて行く。
くすぐったいのか、ピクピクと反応をするちゃる。
そんな、反応が可愛くてわざと狙いを外して微妙なタッチで触る。
「ん・・・あ・・や。セ、センパイ・・・・」
「何、ちゃる?」
俺の顔を見ると、途端に顔を赤くする。
「ん・・・その・・・」
「気持ち良くない?」

フルフル

そうじゃないと、首を振る。
俺もちゃるの言いたい事は分ってはいるが、わざと分ってない振りをする。
何時も意地悪をされているのだこんな時ぐらいは、仕返ししても良いだろう。
「あ、の・・・もっと・・・」
「うん、もっとってここ?」
俺は今度はスカートの中に手を滑らせて、内腿を滑らせながら徐々に手を上げていく。
それだけでも、ちゃるは反応をする。
その顔は段々に恥ずかしさ以外の赤みが出て来ている。
ちゃるは恥ずかしそうに顔を赤くして眼を閉じているが、その先の快感に期待を寄せている。
そして、俺の手がちゃるの大事な蜜壷へ触れる僅かな間で止まる。
「セ、センパイ・・・」
切なそうに顔を歪める。
そんな、顔に思わず感情の赴くままに襲いたくなる衝動が出るが、なんとかそれを我慢をしちゃるに言う。
「ちゃんと言わなきゃ分らないよ。ちゃる。」
度重なる、焦らしで相当感度が上がっているのだろう。
耳に囁くだけで気持ちの良い反応をする。
その間にも俺は蜜壷への焦らしは、辞めず絶えず続けていた。
もう、愛液は蜜壺から足を伝ってくる程だ。
俺の度重なる中途半端な愛撫で、すでに我慢の限界が来たのかついにちゃるは、

「お○んこを、触って!・・・きゃ!?」

と、消え入りそうな声で呟いた瞬間、俺も我慢の限界が来たみたいでそのまま、さっきと打って変わって激しい愛撫に変える。
急な俺の変動に驚くが、その顔に期待の色があったのは間違いないだろう。
下着を横にずらし、直接蜜壺を愛撫する。
「あ!ん、センパ・・・イ!激しい!・・」
焦らしで上がった感度での、直接の愛撫でかなりの快感が来ているのか、先ほどよりも強く体が反応する。
「センパ、イ!私いっちゃう、いちゃ!・・・」
「良いよ、いって。見せてちゃるのいく所。」
そう、呟きながら俺はちゃるの顔に、首筋にキスをしながら手の愛撫を強める。
「あ!・・あ!!・・・あーーーーーーーーー!!!」

ビクビクビクッ!!

体を痙攣しながら、絶頂を迎える。
潮吹きまでしたのか、俺達の少し離れた所までちゃるの愛液が飛んでいた。
肌蹴た服で悩ましげな光景で、虚ろな目をしながら絶頂の余韻に浸ってるちゃるだったが、急に俺の手を掴むと体位を変え逆に俺が押し倒される形になった。
「ちゃる?」
「センパイ。いっぱい意地悪してくれたな・・・・・・・今度は、私の番」
そう言いながら、スカートを口に摘み、俺に跨って見せつける様に中を見せる。

ごくっ

俺は思わず生唾を飲み込んだ。
太腿は、溢れる愛液でぬらぬらと濡れ下着も、もはやその役目を果たせないぐらい濡れていた。
そして、ちゃるのとろんとした陶酔な顔でこっちを見ている。
肌蹴た服から見える肌が何ともいえず美しかった。
それだけの物を見て、俺の男根を怒張させるには十分すぎた。
「ふふふふ」
何所か妖艶な表情で俺を見る。
「センパイ、入れたい?」
「うん。入れたい」
「でも、だめ・・・・まだ入れさせない」
さっきの、仕返しのつもりだろうか。
今度はちゃるが意地悪な感じになっている。
ズボンの中ではち切れんばかりに膨張した俺の男根をそのままの状態で撫でる。
「ち、ちゃる?」
にっと口元が微笑んでいる。
その顔には“さっきの私と同じ目に合せてあげる”と書かれるようだ。
完璧に形勢が逆転した俺は、ちゃるにされるがままになっていた。
相変わらず、ズボンの上からでしか触らないちゃるに、我慢もできなくなってきた俺は恥も何も忘れて叫んだ。
「お願いだから、直接触ってちゃる!もう・・・俺も我慢できないんだ!」
「しょうがない、センパイだ」
俺の、言葉が満足なのか徐々にファスナーを降ろしてくる。
その振動自体すらも、快楽になってるのか俺はビクビクと反応した。
そして、ファスナーがすべて降ろされた時、

ブルッ!

堪え切れなくなった、男根がパンツすらも、押し上げて出てきた。
「セ・・・ンパイ・・・・・」
ちゃるはもっと焦らしたかったのか、まさかに急に出てくるとは思ってなかったので予想外の顔をする。
そして、俺のを見たちゃるは完璧にスイッチが入ったみたいだった。
「もう・・・ダメ、センパイ。私・・・・我慢できない」
そのまま自分の下着も脱がずに、俺のを膣内に挿入してきた。
「はぁはぁ・・・・センパイ気持ちい、気持ちいいよ」
完璧に快楽酔ったちゃるが、そう叫び続けている。
俺も、ちゃるの膣内が気持ち良すぎて何も考えられない。
そのまま貪るように二人して、腰を振り快楽に身をゆだねている。
「ちゃる。俺もういっちゃよ・・・ちゃる」
「うん私も、もういく。いっちゃうっ・・・・」
そのまま奥深く突き上げた時に俺も絶頂が訪れた。

「「あ!あ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」」

二人の声が重なり、そのままちゃるも絶頂を迎える。
ちゃるの、膣内がきゅきゅと俺を離さないと言うばかりに締めあげれくるのが心地いい。
そして、そのまま折り重なるように二人は床に寝そべってる。

「センパイ・・・いつもより激しい・・・・」
「だって、こんな可愛い子がこんな恰好してればね。誰だってこうなる。ちゃるは世界で一番可愛いよ」
「・・・・・・バカ」
恥ずかしい台詞を惜しげもなく告げられ急に恥ずかしがったのか、顔を赤くして俺の胸に顔を埋めてきた。
そんな、可愛いちゃるにまだ膣内にいた俺が反応をし硬くなった。
今度は俺が恥ずかしくなり、鼻を搔きながらそっぽを向く。
「良いよ。センパイがしたいなら、何度でも・・・・しよ?」
そう言って優しく微笑むちゃるの顔に、また劣情が湧き俺は第二ラウンドの開始のゴングを鳴らしたのだった。

「ごめんな。折角作った服汚しちゃって・・・」
後片付けを二人でしながら、俺は謝った。
情事の後で気づいたんだが、これはシルファちゃんの為に作った物だったんだ。
ここまで汚れたら流石に、洗ってもシルファちゃんには渡せないだろう。
折角、シルファちゃんの為に作って貰ったのに・・・・そう考えると、少し残念な事をした気がする。
「いい。最初はあの子ようだけど今は、私用に作りなおした物だから気にしないで」
「そうなんだ・・・・・・・・・・ってじゃシルファちゃんのは?」
「ん。これとは別にある。デザインは全く同じ、お揃い」
と言う事は元々こうなる事を想定して、着てきたって事か。
ちゃるの策略ぶりは、タマ姉並かもしれない。
しかしこれ一つでも相当な出来なのに、二つも作ったのか・・・・・・・・・流石というかなんというか。
と、ある不安が俺の中で湧いた。
「ね、ちゃる。・・・・・・これだけ騒いだら、もしかしてさっきの・・ハナさんに聞こえてない?」
そう言われて、“あ”という顔をする。
そうして、しばらく考えてた後ポンっと手をたたき親指を立てた。
「大丈夫」
「そう・・・良かった・・・・」
もしあれを聞かれてたら、俺はきっとこの店に永遠に訪れなくなるだろう。
自分でやったことなので自業自得とはいえ流石に、ここのお好み焼きが食べられなくなるのは悲しい。
が、ちゃるの思考は俺の斜め上を行くようで、
「ハナなら、私達の関係も知ってるし邪魔なんかしないから、聞こえても無問題」
とか、言われてしまった。
「そうゆう問題っすか!?」
俺は、思わずつっこんでしまった。
あー、あれだけ大声でやってたら絶対聞こえてるよな・・・・・どんな顔してハナさんに会えばいいんだよ~~。
そう頭を抱えて悶絶してると、店の奥から悲鳴が聞こえてきた。

「ぐわぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」

「な、なんだ?今の」
なんかどっかで聞いた事がある声だったけど・・・・・
「センパイ」
後始末を終えた、ちゃるがさっきの悲鳴は気にせず俺に身を擦り寄ってくる。
それに、してもさっきの声ロクさんだった様な・・・・・
「ね、ちゃるさっきの声って・・・まさか?」
「・・・・別に、先輩は気にしないで良い。自業自得だから」
「それって……」
「気にしないで、先輩は今は私だけ見てて」
「ははははは・・・・」
少しむっとしたして表情で、言ってきたちゃるに苦笑いで返す。
あーてことはさっきのはやっぱり・・・・

学校の帰りにちゃる会うとなぜかロクさんを見かける事が多く(大半がちゃるが気づいていたが)、毎回見かける度にちゃるは微妙に不機嫌になっていた時があった。
どうやらまたちゃるを、心配してついて来てたのだろう。
見つかったら必ず、ちゃるにこっぴどく怒られていたと聞いてたが、今回は大凡ハナさんに見つかったのか。
最初の頃はもろばれだったが、最近は一応気づかれない様に気を使ってはいるみたいだけど、いかんせんロクさんは目立つからねー。
周りの反応でわかっちゃう事も少なくない訳で。
俺は全然気づいてなかったけどちゃるは気づいてたのか。
ロクさんの魂が昇天してない事を、祈る事しかできない俺だった。
南無三。

店の裏口からこそこそ入る影が1つあった。
かなりゴツイ体の人間がチドリ足で店に入ってくるのはかなり滑稽な光景だ。
「ロク!あんた一体何やってんだい!!」

びくっ!!

行き成りの怒鳴り声にビクつく、ロクさん。
ハナさんのその眼光に睨まれたロクさんは正に蛇に睨まれたカエルの状態だった。
「まさか、ロク?・・・・学校帰りだけじゃ飽き足らず今日の、嬢ちゃんと坊ちゃんの逢引きまで覗いてたんじゃないだろうね・・・・」
一瞬目が怪しく光った気がした。
「ぐはっ!?は、ハナ。俺ゃ、別にやましい事は・・・・・・・・・・・そう!純粋にお嬢と坊の事が心配で・・・」
慌てて、そう弁解するがハナさんは聞く耳を持たないと言った感じだ。
「あんたは、毎回余計なことして!とにかくとっとと出て行きな!!!」
「いや、だがな・・・」
「出てかないと言うんなら・・・・」
手にキラキラと光る物が構えられる。
「おい!待て、コテを構えて何する気だ!それは、人に向けるようなもんじゃないだろ!!!」
「問答無用ー!!!」
投げたコテが手裏剣の様に飛び、ロクの頭にささる。
グサグサグサッ!!!!

「ぐわぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」

全弾頭にクリーンヒットして、血を流しながら倒れる。
コテが刺さったままピクピクと痙攣するロクを見ながら、あきれ顔でぽつりと呟いた。
「・・・全く。良い加減嬢ちゃん離れしなよっ。ロク」

~End~



***後書き***
以前没った18禁用に書いたssです。
発禁物は消したのですが再アップしたのでこちらも戻しました。
少し手直ししました。W









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