一年の一番初めの日。
今年は色々あったなと感慨深く思いながら、俺はミルファと出会って初めての新年を迎えていた。
そして、ミルファは昨日の約束通り初詣へ向かうために早朝に俺の家に迎えに来ていた。
普段と違った服装、着物に正装して。

「どうかな?貴明。」
ミルファは家に上がると、俺に見せびらかす様にリビングで色々とポーズを決める。
なんとなく何時ものミルファじゃないみたいで俺は少し緊張しながら口を開いた。
「あ、ああ。似合ってるよ。」
「そう、貴明にそう言ってもらえると一番嬉しいな~。」
俺に褒められて嬉しいのか頬をピンクに染めて微笑む。
うっ・・・・可愛い・・・・・・
見慣れないミルファの着物姿に俺は何処となく何時も以上に気恥ずかしくなってミルファの顔をまともに見れなかった。
なんて言うかその・・・・着物って良いよな。
「えへへ、珊瑚様に無理して頼んだ甲斐があったよ。貴明を驚かそうと思って今日まで内緒にしてたんだよ。」
「そ、そうか。それは嬉しい限りだよ。」
「うん♪貴明だったら、もっと色々見て良いよ。」
全身で嬉しさを表す様に俺の腕に抱きつくミルファ。
彼女の自慢の胸が厚い着物越しとはいえはっきりと柔らかい感触が腕に伝わってきた。
「い、色々って何だよ?」
「それは、色々だよ。貴明だったら何でもしてあげるね。」
な、何でも・・・・・そう言われると変な風に想像してしまう。
それに追い打ちをかけるようにミルファは顔を寄せてきた。
「それに、良い事教えてあげるね。着物着る時って、・・・・は履いてないんだよ。」

「なっ!?」

耳元に囁かれた言葉に俺は思わず素っ頓狂な声を上げた。
それってマジですか!!着物着る時ってそうなのか!!
普段知らない事実にぐるぐる考えが回り俺の頭の中はスパークする。
ミルファは俺の反応が予想通りで楽しいのか口を猫のように曲げながら微笑んでいた。
「それって冗談・・・・じゃないよな?」
「んふふふ、どうかな。・・・・見てみたい?」
改めて聞く俺に不敵に笑いながら、着物の裾を摘んで軽く持ち上げるとミルファの生足が見え始める。
それだけで妙な色気を感じて俺の視線は釘づけになっていた。
俺は緊張しながらコクコクと頷くと、ミルファはそれを合図に徐々に裾を上げてゆく。
ゴクッ・・・・・良いよな。
良いんだよな。
ミルファも了承してるし、それに俺とミルファは付き合ってるんだからそれぐらい良いよな。
ゆっくりゆっくり上がっていきあともう少しでミルファの三角地帯に見えると言う時俺が見たのは・・・・・

ゴチン

と言う鈍い音と頭に浮かぶ星だった。
「っ~~~~~~~~~!!」
容赦ない衝撃が後頭部を襲いもの凄い痛みで俺は頭を抱えて蹲った。
すっげー痛い・・・・・・・そ、そう言えば、忘れていた。
彼女も居るんだったよ。
そう俺の家の同居人、金色の天邪鬼ちゃんが。
「ご主人さま!何、朝からエロエロもーろに入ってるのれすか!!!」」
「し、シルファちゃん。」
若干涙目になりながら後ろを向くと超不機嫌モードに入っているシルファちゃんが腰に手を当てて仁王立ちしていた。
邪魔されたミルファは、裾を摘んでいた手を離しシルファちゃんに怒鳴りながら詰め寄った。
「ちょっとシルファ邪魔しないでよ!!」
「うっさいれす!!ミルミルも、朝からろうぶつみたいに発情するなれす!!!」
「別に良いじゃない!私と貴明は付き合ってるんだから何処で何しても!!」
「んな訳あるかれす!!シルファも居るのに、勝手に始めるなれす!!!」
「ふむむむ!!」
「んむむむ!!」
二人ともすっごい恐い顔で睨みあっい何だかとってもヤバい雰囲気に俺は身震いをした。
この二人は会ったら喧嘩しかしないのだろうか・・・・・・
シルファちゃんの横槍に、残念じゃないくて・・・惜しいでもなくて・・・幸いな事に熱が冷めた俺は平静に戻り二人の喧嘩の巻き添えを食わないように離れようとするけど、二人の視線が急に俺に注がれて動けなくなってしまった。
「貴明、あれぐらい普通だよね!私たち付き合ってるんだし、恋人なんか皆あんなもんだよね!!」
「あ、ああ。そうだな。」
「ご主人さま、付き合ってると言っても慎みはらいじれすよ!エロエロな事ばかりしてるとろっかのめいろみたいにアホになるらけれすよ!」
「そ、そうかな。」
「ちょっとシルファ!そのメイドって私の事じゃないわよね!!」
「ふん、名前は言ってないれすよ。そう思うのは自覚があるんじゃないれすか!!」
「シルファ~~~~!!」
相変わらずの口喧嘩をする二人。
さて、そろそろ二人を止めないととんでもない事になるのは俺の経験上容易に想像出来た。
俺の予想通りに二人の周りの空気は先ほどより殺伐としていたからだ。
ど、どうすればいいんだよ~~~。
心の中でマジ泣きするする俺だが、しかし・・・
「・・・・・シルファ、なんだか最近何時も私の邪魔するけど本当は羨ましいんじゃないの?」
と、ミルファの突飛な言葉にシルファは驚いて殺伐とした空気が一瞬緩む。
「な、何がれすか?」
「私と貴明が仲良くしているのがよ。」
ミルファの言葉に思いっきり顔を真っ赤にしてシルファちゃんは慌てて否定した。
「っ~~!?そ、そそそそんな訳ないれす!ななななな何を言ってるれすかミルミル!!」
しかし否定しながらも、時折チラチラと俺の方に視線を送ってくる。
・・・え。どういう事・・・俺か?
しかしミルファはその反応で全てを分かったのか、面白くないように口を尖らせながら話す。
「そんなどもりながら言っても、説得力無い。大体何でメイドがご主人さまのプライベートまで突っ込むの?私は貴明の恋人なんだよ。シルファにとやかと言われる筋合いはないわよ。」
「そ、それは・・・・・」
「ま、シルファがどう思ってるかは関係ないけど貴明はもうミルファの物だからね。素直に認めるなら・・・・少しぐらいはシルファに貸しても良いよ。」
良く分らないけど、俺を勝手に物扱いされてる気がする。
しかし、シルファちゃんはミルファの言葉に更に顔を真っ赤にして動揺していた。
「ら、らからシルファはれつにご主人さまの事はなんとも思ってないれす!」
「ふーん、そうなんだ・・・・・・じゃ、こんな事してもシルファは平気なんだよね。」
そう言うと離れている俺の腕を取ってミルファは豊満な胸元に抱きよせる。
「むぐっ!?」
「あは♪貴明って抱き心地最高だよね。」
「むごあむぐ。」
顔の半分を胸に押しつけられているので俺はまともに喋る事が出来ない。
ミルファは俺に胸を押しつけるように抱きしめ続ける。
ちょっと息苦しいんだけど・・・・・・本音は凄い気持ちいいです。
「くっ!ミルミル!!」
「何、シルファ恐い顔して。やっぱり認めるの?羨ましいんじゃないの。」
「む、むむむむ!!!」
あーシルファちゃんから得も知れない黒いオーラを感じる。
抱きしめられてるからシルファちゃんの方を見る事は出来ないけど雰囲気だけでかなり怒っているのが分かる。
怖い・・・けど気持ち良いので離れられない。
けどいい加減離れないと後が怖い。
でもやっぱりこの感触の前に離れられないのが悲しい男の性かな。
「シルファはシルファは・・・・・・・・・」
顔を伏せるシルファちゃんが小さく呟きそして、悔しそうに唇を噛みながらそして顔を上げた。

「そ、そうれすよ!し、シルファには関係ないれす!!とっととはつもうれれもろこえれも行ければいいれす!!!」

我慢が出来なくなったのかシルファちゃんは顔を真っ赤にして投げつけるように叫んだあと、足跡を荒くして去って行った。
あーあ行っちゃたよ・・・でも、なんでシルファちゃんあんなにムキになってるんだ?
俺だけが分ってないようで、ミルファはそんなシルファちゃんを呆れたように小さく呟いた。
「全く素直じゃないんだから・・・・・・ね、貴明。」
「みむあぅ、あめもあうもむおまい。」
同意を求めるミルファに俺は分らないと答えたけど、胸に包まれている顔ではまともに喋れない。
「あん、すぐったい♪何言ってるか分らないよ貴明。」
そりゃーミルファが俺の頭を押さえてるから離れられないんだって。
何所か色っぽい声を上げるミルファに心の中で突っ込む。
「それじゃ、シルファもああ言ってた事だし遠慮なく行こっか貴明。」
「ぷはぁ・・・・うん。いいけど、シルファちゃんあのままで良いの?」
あの反応じゃきっと今頃段ボールでいじけてそうだし。
「良いの良いの。素直になれない、シルファが悪いんだから。それよりも初詣行こう。」
「ちょ、おい!そんなに引っ張るなってミルファ!?・・・・・じ、じゃシルファちゃん俺出かけてくるから~~~!!」


ミルファに引っ張られるように神社へ辿り着くと当然の如く参拝をする人が荒波のように行き来していた。
「うわぁ・・・・・凄い人だね。初詣って何時もこんな感じなの?」
「そうだね。大体こんな感じだよ。」
「ふーん・・・・・・・貴明。所で“初詣”って何?」
「え゛!?」
予想外の言葉に俺は、呆然とする。
「み、ミルファ知らないで誘ったの?」
「だって、学校の皆は初詣誰と行くって言ってたから行かないといけないものかと思ったんだもん。彼氏と行くって人も多かったし、貴明と行かなきゃって思って。ねぇ、何で?」
「う、うーん・・・・俺よりもイルファさんに聞いた方が分りやすいと思うよ。それに来栖川のデータで調べられないの?」
「それはやったけど、データー量が多すぎていまいち訳が分らなかったし、姉さんに聞くと小言が多そうだから嫌なんだもん。」
あー・・・・それは確かに。
全く他の人の言葉に流されやすいのがなんともミルファらしいけど、さてどう答えよう。
じーと真剣な眼で見つめるミルファに、俺は何とか言葉を選び答えようとするけど如何せん俺の頭では上手く纏まらない。
結局俺はシンプルな言葉しか浮かばなかった。
「一年の一番初めの日だからだよ。その年を幸せに暮らせるようにって神様にお願するんだよ。」
「ふーん。そっか・・・・・・私は、神様なんかに頼まないでも貴明が居てくれればずっと幸せなんだけどなー。」
「うっ。」
何とも恥ずかしいセリフを堂々と・・・・・・
顔を真っ赤にしてそっぽを向くとミルファは嬉しそうに俺を見つめていた。
「貴明顔が赤くなって可愛い~~。」
「そ、そんな、茶化すなって。」
「ふふっ、そうだ。貴明は何をお祈りするの?」
「え、俺か?それは・・・・・・」
そんなやり取りをしていると、不意に俺達の前から聞きなれた声が聞こえてきた。
「あら、貴明さん?」
声のした方に視線を動かすと、そこにはミルファと同じ着物姿の草壁さんがいた。
草壁さんも初詣に来ていたのだろう。
「明けましておめでとうございます。貴明さん。っとこちらの方は?」
「あ、そのミルファだよ。ほら珊瑚ちゃんの所で作ってる最新型のメイドロボの。」
「あ・・・あー。その子が噂の・・そうでしたか。」
ポンと手を合わして納得する草壁さん。
は、噂って何?
頭に疑問符が浮かぶけど、その何だな・・・・・草壁さんの着物姿はミルファとは違った魅力が出ているな。
例えるなら大和撫子っと言うか、似合いすぎてるのが凄い。
じっと見てたのが分かったのか、俺の方に向いてにっこりと微笑んだ。
「どうしましたか貴明さん?」
不覚ながらその笑顔にドキッとして俺は顔が紅潮してくるのが分かった。
「え、っと何でもない。・・・・そ、そうだ。俺、挨拶まだだったね。こちらこそ明けましておめでぇたぁ!?み、ミルファ!?何を!!」
「・・・・・・・・・・デレっとしちゃってだらしない!」
俺の反応に怒ったのかミルファは問答無用で俺の背中を思いっきりつねった。
話してる途中でつねられたせいで、言葉が変になってしまい草壁さんは頭を傾げていた。
「おめでた・・・・・・って誰がですか?」
「え、あ、いや何でもないよ、うん。」
「ふん。」
未だ怒りが消えてないのかミルファは不機嫌そうにそっぽを向く。
参ったな・・・・・何でそんな不機嫌になってるんだよ。
訳が分らない俺は困ったように頭を掻いて膨れっ面になってるミルファに弁解している風景を見ていた草壁さんは小さく笑った。
「なんだか私邪魔しちゃったみたいですね。」
「い、いやそんな事はないよ。」
「邪魔。」
「み、ミルファ~~~。」
悪態をつくミルファに俺は益々困ってしまう。
だから、何でこんなに怒ってんるんだよー。
訳が分らない態度に俺は苦笑するけど草壁さんは相変わらず俺達を微笑ましく見ていた。
草壁さんの態度を見ていたミルファは少なくても心宜しくなかったらしく語尾を荒くしながら口を開いた。
「ふん!貴明はその子にお熱みたいだし私は先に行ってるね。その子とゆっくり話でもしてたら!!」
「あ、ちょっとミルファ!!」
何でか知らないけど、不機嫌モード全開なミルファはさっさと人波の奥へ歩いて行ってしまった。
俺もそれを追いかけようと直ぐに歩を進めるが。
「貴明さん。」
「え、何かな?」
ミルファを心配な俺は早く追いかけたい為に少し苛立ったような声を上げて草壁さんに振り返ってしまう。
「あの子貴明さんの大切な人ですか?」
「へ?あ・・・・・うん、ミルファの事好きだよ。」
「そうですか・・・・・ミルファさんも本当に貴明さんの事好きなんですね。」
「うん。それは、自信もって言えるかな。」
「・・・・ちょっと羨ましいですね。」
「え?」
「いえ、何でもないですよ。それよりも早く彼女追いかけないとこの人混みじゃ見失いますよ。」
「あ、そうだ!ごめんね草壁さん!!おい、待てってミルファ!!!」
急いで追いかける俺の後姿を草壁さんは静かに見送る。
そして、俺が見えなくなった頃に小さく呟いた。
「あーあ、あの噂は本当でしたか・・・・・・・折角願掛けに来たのに無駄になっちゃいましたね。」
人混みに消えた俺の方角を少しだけ悲しそうに見つめて呟く草壁さんの言葉は俺の耳には届いてなかった。



「ちょっと待てって、ミルファ!」
「・・・・・・・」
本殿の裏側を黙々と進むミルファを止めるように手を握る。
ミルファを追いけていたらこんな所まで来てしまった。
人気が全くなく境内の参道と比べるとここはかなり静かな所だった。
「ミルファ、こっち向けって。」
「・・・・・・」
相変わらず無言で、こっちを見てくれない。
「何でそんなに怒ってるのんだよ。訳を教えろよ。」
「だって・・・・貴明たらあの草壁って人にデレってだらしなく笑ってるんだもん。」
「ミルファ・・・・・」
「私は貴明の彼女なんだよ。あんなふうにしてたら、寂しいよ。」
振り返ったミルファの顔は怒ってると言うよりも寂しそうな顔をしていた。
・・・・・草壁さんに嫉妬していたのか?
彼女とは何でもないのに。
「・・・ごめん。あれは別に下心があった訳じゃなくてね。そのな・・・・」
「嘘、見惚れてたじゃない。貴明の事なら何でも分かるよ。」
うっ!?まるでタマ姉のような容赦ない切り返しに俺は思わず息を詰まる。
確かに見惚れてたのは、事実だから反論できない。
「・・・本当は貴明はあの女の事が好きなんじゃないの?」
「なんでそう思うのさ。」
「だって凄く仲良さそうだった。環やこのみと同じぐらい親しかったよ。」
・・・・鋭いな。草壁さんもある意味小さい頃からの幼馴染と言えなくもない関係だからな。
親しく見えるのはそのせいかもしれないけど。
「それは、草壁さんとは小さい頃に一緒に遊んだ事があるからだよ。途中で引っ越して今の学校で再会したからさ。」
「・・・その言葉に嘘偽りは?」
「ないよ。」
じーっと俺の顔を見ていたミルファは『はぁー』って溜息を吐いた。
「・・・分った信じてあげる。嘘じゃないみたいだし。」
タマ姉にも聞きたいが一体何を根拠に俺が嘘ついてると気づくんだろうか?
一度聞いてみたい。
「じゃ・・・・・・・私の方が好き?」
「もちろんだよ。」
「さっきの子よりも。」
「うん。」
「環よりも。」
「断然ね。」
「どれぐらい好きなの?」
「ど、どれぐらいと言われても。・・・・・・・・すっごい好きだよ。」
俺の言葉に少しだけ嬉しそうにするけど、ミルファは俺を真剣な眼で見つめてきた。
「ううん。言葉じゃなくて、違う証拠を見せて。」
「し、証拠?」
「うん・・・・・・」
ミルファは軽く頷くと俺を待つように静かに瞳を閉じた。
もしかして証拠って・・・・・・キス。
「い、いや。ここじゃ誰か来るかもしれないしもっと人気のない所で・・・・」
「大丈夫だよ。こんな所、滅多に人なんて来ないから。」
「で、でもさもし見つかったら・・・・・・」
「・・・・・・・・・へー、貴明してくれないんだ。私の事好きって言ったの口だけだったんだね。そっか・・・そうなんだ。」
渋る俺にミルファはわざとらしく悲しそうに瞳を逸らした。
うっ・・・そう言われると断れないじゃないか。
全く、俺に選択の余地なんてないよ。
「分ったよ・・・・・」
「じゃ、はい。」
俺の返事に打って変わって嬉しそうにミルファは向き直る。
俺は軽くため息を吐き諦めてミルファの肩に手を置いて引きよせた。
そして、ミルファの唇に優しく重ねる。
これで、少しは機嫌が直ってくれればいいけど・・・・
暫くそのままでいてゆっくり離れると、ミルファは離れないように俺の首筋に腕を回しきつく抱き寄せてきた。
「駄目、もっと欲しい。」
「え、ミル・・ん!?」
驚く俺の反応にミルファは気にした様子もなく先ほどよりも大胆に口づけをかわしてきた。
にちゃにちゃと舌が絡み合う音が凄く卑猥に聞こえる。
そんなつもりがなくてもこんなHな口づけをされたら嫌でもそんな気分になってしまう。
ミルファも、瞳を閉じながら俺の唇に味わうように酔っていた。
俺は少しだけ戸惑いながらも少しづつ手が動いていき、そしてミルファのお尻に触れた。
「ん!?」
眼を開き少しだけ驚き唇を離してしまうミルファ。
「・・・・・嫌かな?」
「私は良いけど流石にしちゃうと見つかると大変だよ。さっきは渋ってたのに良いの?」
それはそうだけどね。
でも、あんな口づけされてなにも反応できないほど俺はイ〇ポじゃない。
「だって、ミルファがあんなHなキスするから誰だって否応でも火がつくって。」
「そ、それはだって貴明が私をちゃんと好きな証拠欲しかったんだもん。それに、貴明とのキス好きだから。」
はは。嬉しい事を、言ってくれるな。
「だったら、良いよな続きしても。」
「うー・・・しょうがないな。良いよ。ただし着物はあまり脱がさないでね、私じゃ着つけるの出来ないから。」
「あ、ああ。分かったよ。」
・・・・・着たままでするなんて初めてな行為に少しだけ俺は緊張をしながらもミルファの揺れる膨らみに手を伸ばした。



約一時間後……

暫く経ってから俺達は人通りが多い表通りではなく裏道から、逃げるように神社を後にした。
結局あの後、何回も行為に浸ってしまい気がつけば元の道に戻れないぐらいミルファの衣服が乱れてしまっていた。
匂いも結構付いていて、少し人が多い場所は通れなくなってしまった。
ちょっと興奮しすぎた自分に反省しよう。

「重くない貴明?」
「いや全然軽いよ。」
おんぶしているミルファの遠慮がちな声に俺は笑顔で答えた。
着付けが出来ないミルファと俺。
動けば脱げてしまう為に必然的に帰るには俺がおぶさって珊瑚ちゃんの家へ運ぶしか残ってなかった。
しかし・・・・・お祈りも出来なかったし結局何しに行ったんだろうな神社に。
「あーあ、結局してきただけだったね。・・・もう、貴明が何度もするからだよー。」
「お、俺のせいなのか?だってしょうがないだろう・・・あんなミルファ見せられてたら俺だって我慢なんか出来ないって。」
「ぶー、私のせいなの?」
俺の言葉にミルファは不貞腐れた声を上げる。
「そうは言わないけど・・・・・ミルファだって何度もおねだりしたじゃないか。」
「だ、だって貴明の気持ち良さそうな顔見てると凄い嬉しくて、キュッてなっちゃうんだもん。」
「だからな・・・・・」
と言いかけた時、周りの視線に気づいて見渡すと通行人が俺達の方を見ながらひそひそ話をしているのが見えた。
しまった・・・・いくら人通りが少ないと言っても全然居ない訳じゃないんだった。
「と、とりあえずこの話は帰ってからしような。」
「えー別に良いじゃない。私は聞かれても全然構わないよー。」
「俺が気にするんだってば・・・・・」
渋るミルファを抑えて俺は大人しく歩いていた。
「全く貴明は普段は恥ずかしがり屋なんだから、あの時はあんなにも積極的になるのにね。」
「だから、その話は・・・・・はぁーもう良いよ。好きにしてくれ。」
ただでさえおんぶしていて注目を浴びてるのに・・・・・・あー周りの視線が痛い。
「うん、好きにするね。でも・・・貴明。そんな恰好で寒くないの?」
「ん、俺か?大丈夫だよ、ミルファの体、結構温いし。」
「でも、こんな真冬にジャンバー無しで風邪ひいちゃうよ。」
心配そうに聞くミルファの言葉はもっともだった。
今の俺は姿は冬まっ盛りな今でも上着はセーター一枚だけジャンバーはミルファに羽織らせてある。
本当は我慢できないぐらい寒いけど、そうでもしないとおぶさっているミルファの着物がはだけて体が見えてしまうかもしれない。
「確かに少し寒いけどさ・・・・・・今の状態じゃ見えるかもしれないだろう?その・・・色々。俺としては他の奴らにミルファの体を見せなくないしさ。」
そうそれが一番嫌なのだ。
俺以外にミルファの体を見られる事の方が我慢できない。
ちょっとバカップル的な発言だが、本心だ。恥ずかしいセリフに俺は顔を赤くしてなるべくミルファの方を見ない風にしてたけど、嬉しそうに俺の首に腕を回しギュッと抱きしめてきた。
先ほどよりも一層ミルファの体温を背中に感じる。
まるで俺の言葉への返答の様に心地が良い温かい温もりだった。
「・・・・・ありがとう貴明。」
「良いって。俺はミルファの彼氏だろう。あたり前の事だって。」
「うん・・・・・私、貴明を好きになって良かった。大好きだよ。」
「ああ。・・・俺も大好きだよ。」
何処となくそっけなく答えてしまう俺だがミルファの言葉に嬉しさと恥ずかしさが一杯で顔は真っ赤だった。
ミルファはそっと横顔を覗いてきて真っ赤になった俺の顔を見て嬉しそうに微笑んでいた。
「ふふ、赤くなって可愛い♪お礼に帰ったらいっぱいい~~ぱい、Hしてげるね貴明♪」
ちゅっと頬にキスをするミルファに余計に俺は赤くなるのであった。
だけど胸の中は幸せで一杯で俺は神社で祈れなかった願いを胸に込める。

神様、ミルファとこれからもずっと一緒に居られますようにっと・・・・・

~End~



***後書き***
昔書いたものを再アップしました。
タイトルも前と変わってたりしてます。
初詣ネタでミルファメインストーリーです。
18禁物を書くつもりがもうないので、サイトを簡略化した時に発禁物は全部カットしたのでHシーンをカットしてます。
話は前回の時と変わってません。
やっぱりミルファは可愛いです。
何着ても笑みが浮かびますわ~~~。w
ま、そう言いつつも私はシルファの方が好きなのですけどね。









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