亜美と真美との衝撃再デビューから既に半年あまり…
二人の強い要望に伴い俺は、二人の専属プロデューサーとして頑張っていた。
そして今回は、亜美と真美を連れとある海辺に来ていた。
今度出版する765プロアイドルの総人数を入れた写真集に使う写真を撮る為だ。

「に→ちゃん。もっと色っぽくした方が良いかな?」
「違うよ。真美、こうした方がもっと良いってば」
「あ、亜美。それ良い案!で、どうかな兄ちゃん。亜美と真美の色気でメロメロっしょ?」
「あーはいはい。分かったから早くポーズを決めてくれ」

投げやりに答えられ態度が納得いかないのか二人は不満の声を上げる。
「ぶ~、に→ちゃん反応が薄いよ~~」
「そうだよ。もっとちゃんと見てよ~~」
「ああ、もう!分かったからそんなにひっつくなって!」

今回の写真のコンセプトは、“自然なアイドル”。
だから、何時もはプロのカメラマンを雇うのだが、今回は亜美真美と親しいプロデューサーが撮る事になっていた。
三人以外のスタッフはおらずその為か、何時もより自由奔放な亜美真美に振り回されプロデューサーは疲労は溜まりに溜まっていた。
これは、亜美真美に言わず765プロ所属のアイドル全員にも同様な仕事でありそれぞれのプロデューサーも今頃頑張っている事だろう。
一人付き採用するのは15枚。
あくまで彼女達の自然な素顔をテーマにしていればそれ以外の方針は特になく好きにとって良いとの事だ。
そして、亜美真美は揃って大人の色っぽい写真が良いと言われ写真自体が比較的露出度が高い水着になっている。

苦労をしながらも予定よりも早く終わり、何とか必要枚数を撮ったプロデューサーは構えていたカメラを下した。
「よしこれで、予定の枚数は撮れたし今日の仕事は終わりだな」
「え?じゃ、後は遊んでもいいの?」
そう言われプロデューサーとしては良いとは言いたくはなかった。
だが…

「「じー…」」

期待を含んだ視線で二人に熱く見つめられ、断る事も出来ない。
甘いと思いつつもプロデューサーは少しの間ならばと了承した。
「わーい♪  ありがとうに→ちゃん。じゃ、新しい水着に着替えてくるね~」
「あ、待ってよ。真美も行くってば!!」
着替え用に建てた簡易のテントに向かって二人は元気よく砂地を蹴って走っていった。
「着替えって……そのままでも良いと思うけどな」
撮影を終えた今ならば水着事態が濡れる事を気にしなくても良いのが……プロデューサーは思わず苦笑するが、二人がそうしたいならばと好きにさせておく事にした。
(高ランクの二人にとっては久々の休暇みたいなものだしな。最近忙しかったしたまには良いだろう)
事務所には連絡はしていないが、元々今日一日は撮影に取り掛かる予定だったし夕方までに事務所に帰れればが問題はないだろう。
二人が戻ってくるまでの間、撮った画像を液晶画面で一度確かめる事にした。
(これは、使えるな…これはちょっと駄目か。これもよし……あとは)
今のうち出来る限りの選抜を進めようと撮った写真を見ていく。
撮影に夢中になっており稀に際どい写真や二人がおふざけでとったポーズなども入っている。
もちろん、そんなものは使えないのだがどれも亜美と真美の元気な二人らしい写真ばかりでプロデューサーの口元には自然と笑みが零れていた。
引退コンサートから僅か数カ月で双子のアイドルとして再デビューを果たし今は昔以上の人気を二人は持っている。
二人とまた一緒に入れる事はプロデューサーとしては嬉しいだが、デビュー以降は前以上の過激なスキンシップが多い事もしばしば…最近では胸も膨らんできたのか抱きつかれた時などに偶に女性として意識してしまう時がありそれも悩み所だった。
いくら未成熟な子供だと言っても、年頃な女の子に毎度毎度好きだの思いっきり抱きつかれれば反応してしまうのは男しては致し方が無いと言えよう。
(二人の事は嫌いじゃないけど、あくまで二人は俺の事を兄妹的な意味で好意を持ってるだけだろうしな……スキンシップもそんな感じだろうし変に意識はしないようにしないとな)
そう心の中で言い訳じみた事を考えつつ更に写真を確認をしながら二人を待つ事約10分近く………
後ろの方から、足音が聞こえ後ろを振り向くとそこには亜美と真美が立っていた。
「お待たせ、に→ちゃん♪ 」
「ああ、おか…えり…?」
いたのだが、二人の姿は先程とは明らかに違っていて思わず息を飲んでしまった。
「あれ、に→ちゃん、どしたの?」
「固まってるねー、亜美。むふふっ、きっと真美達に見惚れてるんだよ~」
「あ、そっか!亜美と真美の色気にに→ちゃんがメロメロにになってるんだねー♪ 」
無邪気に喜ぶ二人の声にやっと我に返ったプロデューサーは二人の肩を掴みゆっくりと問いかけた。
「亜美真美……なんだそれは」
「それって、この水着の事?」
「ああ」
「ただの水着だよ。何か変かな?」
「変と言うか何と言うか………」
確かに仕事でも水着を着る事はある。
だが、今二人が来てる物は今まで見た物よりそして先程まで撮っていた水着よりさらに際どい…はっきり言えば、グラマーな女性が着るような露出度の高いビキニを着ていたのだった。





未だ幼さが残る姿には、まだ早い……のだが、何故かプロデューサーは二人に目を向ける事が出来ずに思わず視線を逸らした。
「……何でそれを?」
「何でって折角海に来るんだもん。仕事とは別の水着は持って来てても可笑しくないっしょ?」
「確かにな…だからって何でビキニなんだ?」
むしろ二人ならば、写真撮影時に“大人っぽいのが良い!”とかおませな事を言いビキニの写真を無理矢理に組もうとしても可笑しくない筈だろう。
だが、そのプロデューサーの疑問への返答はプロデューサーにとっては予想外の斜め上を行っていたのだった。

「むっふっふ~。そんなの当たり前じゃ~ん、ねー真美」
「うん、当たり前当たり前」

「「に→ちゃんを悩殺する為に決まってるじゃん♪ 」」

揃って告げる二人の言葉に、プロデューサーは完全に固まった。
「な、何だと?」
「これはに→ちゃん専用に態々買ってきたんだよ」
「そうだよ。にーちゃんは亜美と真美の大好きなに→ちゃんだからね。に→ちゃん限定の特別大サービスなのだ~~♪ ファンに見せるのはちょっと恥ずかしいし、どう嬉しい?」
「さ、サービスって……お前ら」
その言葉に思わず変な想像が浮かんでしまい上手く喋れなかった。
しかし、二人の行動は止まらない。
「で、どう?に→ちゃん。似合ってるかな?」
「そうそう、真美達セクシ→かな?」
腕を絡め両腕を二人に抱きつかれ上目使いに顔を見つめられたプロデューサーは思わずビクリと体が反応した。
確かに、まだビキニを着るには早熟過ぎる二人なのだが初デビュー当初より一緒だったプロデューサーはあの時よりも少しづつではあるが確実に女性らしく変化しているのが分かっていた。
そんな幼いながらも成長著しい二人に男としての本能が少なからず反応をしており、僅かながら劣情感を二人に抱く邪な感情を強引に抑えこみプロデューサーは何とか返事を返した。

「……ま、良いんじゃないか」
「む~!に→ちゃん反応薄いよ」
「そうだよ、もっとちゃんと真美達を見てよ!!」
「あ、こら顔を掴むな!」
しかし我慢してる分素っ気ない態度になり反応が微妙なプロデューサーが不満なのか二人はプロデューサーの前に周りそれぞれ顔を掴かんで強引に自分たちの方に向けさせた。
至近距離で視界に映し出される二人の姿に体の熱が上がった気がした。
(ちょっと待て、俺!なんでこんなドキドキしてるんだよ!!二人はまだ○学生だぞ!!!落ちつけ俺!?)
そう思いつつも心臓は早鐘のように高鳴っている。
彼の名誉の為に言っておくがプロデューサーは決してロリコンではない。
あくまで二人の事は大事な担当アイドル、そして妹のような存在の筈だった……なのだが、最近ではプロデューサー自身が今二人に抱く気持ちがなんなのか分からず戸惑う事が多かった。
だが、苦悩するプロデューサーに反して亜美と真美は嬉しそうにはしゃいでいた。

「にひひ、に→ちゃん。メッチャ悶絶してるよ」
「うん。に→ちゃんは、真美と亜美の魅力にメロメロなんだよね」
「お、お前らな……俺をからかってるのか?」
自分はこれだけ悩んでるのにあっけらかんとしてる二人に対して理不尽さを感じ、思わず愚痴のように呟くプロデューサーの言葉に亜美と真美は頬を染め優しい笑みを浮かべていた。
「そんな事無いよ。に→ちゃんだから、こんな事するんだからね」
「うん、真美もだよ。に→ちゃんだから」
「え?」
真剣な二人の表情にプロデューサーは思わず息を飲む。
自分の事をちゃんと見て欲しい。
口にはしてないが、純粋な瞳からはまるでそう訴えかけるように思えた。
まるで今のプロデューサーの抱いている気持ちが分かってるかのように……
聞く事も躊躇われたプロデューサーは罰が悪そうに頬を掻きながらも二人の頭を優しく撫でた。
「そうだな…二人にはちょっと早い気がするけど、似合ってるよ」
プロデューサーの言葉に満足そうに笑みを漏らす。
「んっふっふっ♪ 」
「始めから素直にそう言えば良いんだよ」
「悪かったな」
不貞腐れた子供のように誤魔化すプロデューサーを亜美と真美は可笑しそうに笑っていた。

~End~



~お知らせ~
イラスト:puntoさん
挿絵はpuntoさんから頂きました。
ご本人の許可は取ってから使用をしてますので、他のサイトへの無断転載等はしないようにお願いします。






inserted by FC2 system