やよいの新曲“キラメキラリ”が来月に発売する。
元気一杯の曲でとてもやよいらしい歌だ。
その発売記念のミニライブが今日、某大型ショッピングモールの一角で行われる事となっている。
出来るだけ大勢の人に来てもらう為に昼と夕方の二回に分けてやる事になっており、その前半部分なのだが…肝心のやよいはこんな感じだった。

「う~。き、緊張します…」
舞台裏からこっそりと観客席を覗いたやよいは予想以上の人だかりに表情を固くしていた。
「やよい」
「ひ、ひゃい!?」
「体が震えているけど、大丈夫なのか?」
「ぷ、プロデューサー。だ、大丈夫!わ、私は全然元気100%れしゅよ!!」
「いや、呂律回ってないし全然だめだろう」
「あ、あぅ~。ごめんなさい……」
ま、緊張するのも無理はないだろう。
とあるバラエティー番組に出演した以降、子供らしい元気さと無邪気さ。そして微妙に的を外す天然ボケなトークが視聴者に受けて最近になり人気が急上昇してきた結果がこれなのだ。
急激に増えた人気で大勢の前で行うステージに全くと言って良いほど慣れてないやよいはこんな調子になってしまうのは仕方が無い事だろう。
しかし、かと言って失敗して良いと言う訳でもない。
今は波に乗っており、このチャンスをなんとしても掴まねば折角増えたファンが離れていってしまう。
そうなるとまた徹夜、会社に泊りがけの仕事に逆戻りだ。
兎に角今はやよいの緊張を解かないとな。
落ち着かなくおろおろとするやよいの前に屈み、同じ視線に合わせ震える手を両手でしっかりと握った。
「あまり固くなるな。今まで通りにやればきっと出来るから」
「で、でも。もし失敗したら折角増えたファンが離れちゃうかもしれないし、そうしたらまたプロデューサーに迷惑を……」
「俺に?」
「だって、プロデューサー何時も遅くまで残って毎日大変でした。家にも帰ってないみたいでしたし、プロデューサーに少しでも恩返しをしたくて…私は絶対に成功したいんです」
そうか…分かってたのか。
自分の事よりも俺の事を心配してくれていた事に素直に嬉しかった。
やよいの優しさに思わず目頭が熱くなってしまう。
「お、お前って奴は……いいか、そんな事を一々気に病むんじゃない。やよいは自分が出来る事だけを考えてやれば良いから」
「でも……」
「仮に失敗しても俺が何とかしてやるから、後の事は気しないでドンと構えて思いっきりやってこい」
やよいの綺麗に整えられた髪を思いっきり豪快に撫でてやる。
くすぐったいように目を細める。
「ぷ、プロデューサーちょっと痛いです」
「はは。いいか、やよいはアイドルで俺はお前の担当プロデューサーだ。やよいが歌う場所を作り最大限のサポートするのが俺の仕事だから大変なんて思った事は一度もない。たとえ失敗しても、次に生かせる道を絶対に作ってみせるから」
一息置き、何時もの言葉。
あの日からやよいにとって魔法のおまじないを唱える事にした。
「だから、やよいは思いっきり歌ってこい!上手く出来たら何時ものご褒美やるからな」
「ご褒美…う、うん頑張る!お兄ちゃん。やよい歌うね!元気一杯に!!」
「おう、行ってこい!」
そうしてライブの時間になったやよいはまっすぐ前を見てステージへと駆けていった。

ステージ脇から覗いてると、やよいは先程の姿が嘘のように軽快に歌っていた。
「フレーフレー頑張れ♪最高~♪」
ちょっと下ったらずな歌い方だが、それがやよいらしくて良い。
ラ行の発音が苦手なのか時たま“さぁ、虹が”、“タニシが”になっているがそれもまたやよいの一つの魅力だろう。
それにしてもお兄ちゃんか……あいつ人前で言わないようにって約束したのに忘れやがったな。
準備で忙しく駆けまわるスタッフの耳には聞こえてなかったので良かった。

随分前の収録の後、ひょんな事にやよいにお兄ちゃんと呼ばせてから、妙にその事柄に反応を示すようになっていた。
元気のない時、落ち込んだ時、困ってる時、昔ならば遠慮して断られていた事も“お兄ちゃん”として頼むと素直に聞いてくれるため俺もここぞと言う時には使っている。
長女であるやよいは甘えたくても甘える相手がおらず両親が共働きな事情な故に憧れていたらしい。
まるで本当の妹が出来たようでなんともこそばゆいなの事だが、やよいのような可愛い妹ならむしろ嬉しい事だろう。
そして、観客の歓声を受けながらライブも無事に終わり控室に二人で戻った。


「あの、どうでした?」
「ああ、良かったよ。最高だった」
「え、えへへ。それで、あの……」
「何だ?」
「あの……ご褒美」
頬を赤くして両手をもじもじとしていた。
なんとなく言いたい事は分かるが照れる仕草が可愛くて少しからかってやろうと悪戯心が湧いてきてあえて知らない振りをする。
「あ、あー…そうったな。でも、人前でお兄ちゃんって呼ばないって言う約束破ってあんなスタッフが大勢いる中で言ったからな……残念ながら今回のご褒美は無しだ」
「え?………えーーーー!!そ、そんなのないですよ!プロデューサー」
予想外の返事にまるで突っかかるように俺にしがみ付いて抗議の声を上げる。
本当コロコロ表情が変わって面白い。
「じ、冗談ですよね?冗談って言ってください」
「だけど、人前では言わないって約束したのは覚えてるだろう?やよいは約束を破った悪い子がご褒美貰えると思ってるのか」
「それは…そうですけど…でも私………うくっ、うっ…・」
ちょっとからかい過ぎたのか目から涙が溢れてきてしまっていた。
やばっ、ちょっとやりすぎたか…

「なんてな、冗談だよ」
「ふぇ?」
「ちゃんとご褒美は上げるから泣くな。良く頑張った、偉いぞやよい」
「むー、お兄ちゃんの意地悪。でも……えへへ、お兄ちゃんの手って大きくて気持ちいい」
「そうか」
「もっとお願いしても良い?」
アイドルとしてではなく年齢に相応な純粋な瞳で甘えてくるお願いに備え付けてある椅子に座り手を広げて招いた。
「おいで」
「うん♪」
まるで小動物のように小走りで俺の膝に腰かけ抱きついてきたやよいを落ちないように背中に腕を伸ばし支えた。
「ふふっ。お兄ちゃん、お兄ちゃん♪」
楽しそうにお兄ちゃんと何度も呼ぶ。
最近では俺が“お兄ちゃん”になる時はやよいから敬語が消えて前以上に親密に甘えてくるようになった。
やよいと距離が近くなった気がして嬉しい気持ちもありまるで本当の兄弟のようになれた気がして複雑な心境だった。
そして、不意に漏れたやよいの言葉に一瞬心臓が高鳴った。
「お兄ちゃん大好き…」
何気ない言葉。
やよいにしてみれば純粋に兄妹としての愛情表現の一つだと思う。
だが、いたいけな少女に好きと言われ反応してしまう自分がいた。
アイドルとしてのやよい、妹としてのやよい、女の子としてのやよい。
俺はやよいの事を一体どういう風に見ているのだろうか……

「どうしたの、お兄ちゃん?」
「…いや、何でも無い。それで、学校はどうなんだ。ちゃんと勉強してるか」
揺らぐ気持ちを悟られないように、何気い会話をふり感づかれないように誤魔化す。
「うん。大丈夫……だよ。ちょっと授業で分からない事があるけど、出来てるから……て、痛たぁ」
明らかな嘘をつくやよいのでこを軽く小突く。
「嘘をつくな。本当は全然分からないんだろう、遠慮せずに何でも聞け。小学生の問題ぐらいは教えらえるから」
「分かった。…お願いしても良い?」
「おう、まかしておけ」
大げさに胸を張る俺をやよいは尊敬の眼差しで見ていた。
小学生の宿題程度で尊敬されても微妙な感じだが、この娘に頼られる事に素直に嬉しかった。
「すごーい。流石お兄ちゃん……あ、そうだ。お兄ちゃんに聞きたい事があったんだ」
何かを思い出したのかやよいは急に立ち上がり部屋の隅に置いてあるバックを屈んで探す。
ピンクか……
無関心なのか気づいてなてないだけなのか分からないがミニスカートで屈まれると後ろからは丸見えだった。
その格好はまるで下着を俺に見せつけるようになっており形容しがたい気持ちだった。
「あ、あった。これだよ…あれ?お兄ちゃんどうしたの?顔が凄く赤いよ」
「え、あ、いや…部屋が熱いせいかな?」
落ちつけ俺の心臓。反応するんじゃない。
心の中の邪念を必死に追いやってると戻ってきたやよいは白いシンプルな手紙を俺に差し出してきた。
それを受け取り封に書いてある文字を見るとちょっと乱暴そうな不規則な字で高槻やよいさんへとだけ書いてあった。
「なんだこれ」
「えっとね、多分ラブレター…なのかな?この前、久々に学校に行った時に下駄箱に入っていて隣のクラスの男子からみたいなの」

「…なぬ」

思わずこめかみに皺がよりピクリと動いた。
やよいがラブレターか…ま、アイドルとして活動してるとそう言うのも少なくはないだろうが……相手は誰だ。
何故か、得も知れない怒りが沸々と湧きでてきて口元が引くつく。
予想以上に力が入り手紙を握る手がぶるぶると震え上手く中身が取り出せない。
約一分近くもかけて手紙を出し、震える手を必死に抑えながら中身をみると小汚い文字で自分の思いを綴っていた。
確かに内容的にはこれはラブレターに間違いない。
ラブレターね。やよいが、か……
「ふっふふふ……」
「お、お兄ちゃん。ちょっと怖いよ……」
やよいが怯えた顔をするが気持ちを抑えるので必死で笑いまで止められない。
「それで…やよいは何が聞きたいんだ?」
「うん…この手紙のお返事なんだけど」
こめかみの皺が増えた。
「へ、返事ね…やよいはどうするつもりなんだ」
「え?それは……」
何故そこで顔赤らめる?
軒並みに増えづつけてゆく俺の中の怒りのボルテージ。
限界まで来た感情を抑えられる精神力は奇跡に近かった。
次のやよいの言葉が俺の予想通りの言葉なら多分平常心ではいられないかもしれない。
何で俺はこんなにムカついてるんだ…やよいは……くっ。

「私、恋って良く分からなくてそれでね。友達の佳織ちゃんに聞いてみたんだ。あ、香織ちゃんは私の親友で、一つ上の学年の人と付き合ってるんだよ」
何時ものように陽気な口調だが、今の俺はそれどころではなかった。
しかし、焦らず大人の寛容で静かにやよいの言葉を待つ。
「それでね、聞いてみたの。恋ってどんなものなのって」
「ああ」
「一緒に居て胸がドキドキして、楽しくてどんな時でもその人の事を考えてずっと一緒に居たいって思うのが恋なんだって。それを聞いてね………思い浮かんだのがお兄ちゃんだった」

「……………………………………………………………………………………………え」

予想外の言葉に迷走する心が急速に熱が消え思考が止まる。
呆然としている俺をよそにやよいは恥ずかしそうに頬を染めながらもゆっくりと続けた。
「優しくて、頼りがいがあって、暖かくて優しい……お兄ちゃんと一緒に居る時が一番ドキドキするから」
やよいの突然の告白に俺の頭はスパークし思考が鈍る。
しかし、持ち前の切り替えの速さを巧みに使いどうにか心を落ち着かせギリギリで平常心を保たせる。
「そ、それはただ俺がお兄ちゃんだからだろう。家族的な意味で好きって事じゃないのか?」
しどろもどろに答える俺の手をそっと握ったやよいは……そのまま自分の左胸に触れさせた。
「なっ、や、やよい何を!?」
「…兄妹でこんなにもドキドキしないもん。弟やお父さんと居てもこんなに楽しくないもん。お兄ちゃんだけだよ…こんなにドキドキするの。これが恋って事じゃないの?」
未成熟な体を触れる掌から感じる微かな膨らみと確かな鼓動。
それに感化され俺の鼓動も早鐘のように高鳴っていた。
潤んだ瞳で見つめるやよいに見つめられ、段々自分でも冷静な考えが出来なくなってきていた。
緊張で汗が浮かび強張る体は離れる事も出来なくて、やよいも俺の手を胸に添えて抑えたままでいる。
どれ程そのままでいただろうか…乾いた喉から必死に声を出した。
「……ほ、本当に俺で良いのか?」
「う、うん。まだ恋って分からないけど、私はお兄ちゃんの事は大好きだからずっと一緒に居たい」
その答えが迷っていた気持ちを傾かせ、やよいの腕を掴み引き寄せてその小さな体を抱きしめた。
小さくて、柔らかくて、少しでも力を入れたらそれだけで壊れてしまいそうなぐらいだった。
鼻孔に擽る甘い匂いは何処か気持ちが落ち着く。
少しでも良く感じたくて顔をやよいのうなじに垂れる。
「やよいって良い匂いだな」
「そ、そうですか…?そんなに嗅がれるとちょっと恥ずかしい……あ」
「ん?どうした」
急にもじもじと動かれ恥ずかしがってるだけかと思ったがちょっと様子が可笑しい。
「そんなに嫌だったか?」
「ち、違うよ。その…えっと……」
「はっきり言っても良いぞ」
「う、うん。あのね……当たってるの」
「当たってるって何がだ」
「お、お腹に…固いのが」
「お腹?」
言われて下を見るとやよいのお腹には丁度俺の下腹部が当たる辺りがある。
固い……て、まさか。
慌てて離れて見てみるとそこには見事にズボンを押し上げ直立した男の現象が起きていた。

「う、うわぁあああぁあああああ!!す、すまん」

何時の間にこうなっていたのか、全く気付かなかった俺は年甲斐もなく大声をあげた。
やよいの匂いに、温もりに当てられ興奮して勃起するなんて……恥ずかし過ぎる。
そもそも相手はまだ●学生だぞ。
俺の娘としても通りそうな年齢のやよいに対して劣情を抱くなんて俺はロリコンなのか?
そうなのか?
頭を抱えジレンマに陥る俺は苦悶の声を上げ唸っていた。
「お、お兄ちゃん」
「うぉおお、許してくれ。堪忍や」
「お兄ちゃん!」
「うぉ!?な、何だやよい」
「それ……」
指さす先は相変わらず盛り上がる股間。
「男の人が興奮したらなるんだよね…」
「え、あー何と言うかなこれはな…」
何とか言い逃れが出来ないか試行錯誤するがそう都合良く案が浮かぶ訳もない。
対するやよいは妙にやる気で握りこぶしを作りガッツポーズをとっていた。
「だ、大丈夫だよ。私、知ってるから…その男の子のそれって白いの出してあげないと戻らないんだよね?」
「ぶっ!?何その微妙に間違った情報は!」
「えっと…真美ちゃんと亜美ちゃんがそう言ってた」
あの二人か!!
どうせ何時もの軽ノリで言った事だろうが今度ちゃんと話しあう必要がありそうだ。
って…
「やよいさん。なんで俺の股を触ってくるのかな?」
「だ、だって出さないと戻らないし私なら大丈夫だから、手伝うね?」
「いや、だからこれは放っておけば自然に……」
「う、ううん。遠慮しなくて良いんだよ。頑張るから見ててお兄ちゃん!」
「待てって、やよい!なんでそこまで意気込むだ!」
制止の声も空しく、やる気100%のやよいはベルトに手をかけズボンのフックとチャックを脱がし最後の砦であるトランクスにまで手をかけようとしていた。
「こ、これ以上は不味いから、止めるんだやよい!」
「えーい!!!」
目を瞑り顔をリンゴのように真っ赤に染めながらも勢い良く下げた。
抑える物が無くなった俺の肉棒は遮るものは何もない、天を貫くドリルの如く直立不動でおったっていた。
恐る恐る目を開けて、始めて見るであろう男の象徴にやよいは一瞬びくりと震えた。
「お、弟のと全然違う…」
●小生の男と一緒にされるとそれはそれで凹むぞ、やよい。
「お、大きい……」
「無理はするなって。気持ちの良い物じゃないだろう?俺なら大丈夫だからな」
完全に固まって凝視するやよいの柔らかい頬に手を添え労わるように優しく撫でると目を細め嬉しそうにしていた。
求めて来るのは嬉しがこんな関係を持つにはまだ早く幼すぎる。
世間体的な意味もあるが、こういうのはもう少し大きくなってから…
「…えい!」
「やめぅろぉあ!?き、急に触るんじゃない!」
「ご、ごめんなさい!い、痛かった?」
「い、いや痛くはないが敏感な部分だからな…じゃ、なくてだな。本当にこう言うのはしなくて良いから、やめ…」
「プロデューサー……」

頑なに拒絶する俺に、やよいは“お兄ちゃん”ではなく“プロデューサー”と呼ばれ思わず口が噤む。
「プロデューサーは…私の事嫌いなんですか?」
「…そんな事ある訳ないだろう。でもなこう言うのはすごく大切で繊細な行為だから安易にやる事じゃないんだよ。それに…」
さっきは我慢できずについ抱きしめてしまったが俺とやよいじゃ年齢的な差も大きい。
今後やよいが他の男を好きになる事もあるかもしれない。
純粋なやよいの事だ。俺との関係を深くし過ぎてしまうといずれその時の経験が枷になるかもしれない。
まだやよいは幼く良く分かってないから。
だから今だけは、一時でも良い浅い関係だけで留めておかないと俺に対してもやよいに対しても良くはない。
だけど、俺を見つめるやよいの目は何処か大人じみて幼い顔立ちと妙なアンバランスを醸し出しておりその考えすらも鈍らせる。

「私、まだ子供だし恋とは愛とか全然分からないですけど、これがどれだけ大切な事かは私なりに理解してるつもりです。たまにお母さんとお父さんが夜中にしてるのを見て二人とも凄く幸せそうだなって羨ましくて何時か私もって…」
「やよい…」
「やっぱりプロデューサーは私みたいな子供より、大人の女性の方が良いですよね。今は私に同情して受け入れてくれてるだけなんですよね…ひくっ…プロデューサーは優しいですから……」
そう伝えながら頬を伝い流れる滴。
悲しみが溢れ漏れる止めどなく涙が床を揺らす。
違う。
何時も元気な姿を太陽のような温かい笑顔を何時もくれるやよいは俺にとってかけがいのない存在なんだ。
それは恋とか愛とか関係なく、俺にとっては心の拠り所。
だからこそ、後々やよいの迷惑になるような事はしたくないのだ。
だけど…
「ひっく…うぅ…」
泣き続けるやよいの姿に、一番見たくなかった姿に決心が鈍る。
モラルとか世間体とか考えるのも馬鹿らしく思えてくる。
それは、やよいを悲しませてまで守る事なのか?
俺はただ自己満足の為にそうしたいだけじゃないのか?
本当に大切なら……そこまで考えると俺はやよいの小さな柔らかい唇に自分の唇を重ねていた。
「んっ!…」
やよいは驚き体を一瞬強張らせるが直ぐに力を抜いた。
ただ、唇を重ねるだけの優しいキス。
ゆっくり唇を離すと、やよいの目は何処かうっとりとしていた。
「ごめんな…やよい。俺は同情でもなんでもないやよいの事が一番大切だから、我慢をしようとしてたんだ。でもそんな俺の思いあがり泣かせるぐらいならもう我慢なんてしないから……それでも良いのか?」
「う、うん。やよいもプロデューサーの事大好きですから」
「そうか……それじゃ、してくれるか?」
「う、うん」

そう告げると恐る恐る時間が経ち半分程度に収まった肉棒に触れた。
微妙に冷たい掌の感触が刺激となり震わす。
「あ、ぴくって動きました…」
「そうだな。やよいに触れられてるからな」
「あの…この後はどうすればいいんですか?」
「そのまま、両手で上下に動かしてくれ」
「こうですか?」
「うっ。い、いや、もう少しゆっくりで良い」
「こ、こう?」
「そ、そうだ。それぐらいで丁度良い。後は強弱を調整してくれるともっと嬉しい」
「は、はい。頑張ります!」
真剣に俺の言う事を聞き一心に肉棒をしごく一途な姿を見ているだけで興奮してくる。
最初は力の付け方が分からなかったやよいも徐々に慣れてきて肉棒から半透明な液体が溢れて来る。
「うわぁ。な、何か出てきました」
「男が気持ち良くなると出て来るものだよ」
「あ、それ分かります。えっと…確か……カッパですか?」
微妙に間違ってる言葉に思わず吹く。
「わ、笑うなんて酷いです!」
「ご、ごめん。正解はカウパー液な。先走りとも言うけど、男が射精する前の現象だよ」
「へー…面白いです」
そこまで興味深々な眼差しでじーと見られると流石に恥ずかしい。
ぺろっ。
「うっく!?」
「あ、ちょっとしょっぱいです」
「や、やよい急に舐めるな」
「どんな味かなって思って気になったんですけど…もしかして体に悪かったんですか」
「いや、毒じゃないからそんな事はないけど」
「じゃ、もっと舐めても良いですか?いまいち味が分からなくて」
味って…食べ物じゃないんだけどな。
だけど、手コキで感度が上がった俺の肉棒も色々と限界でそろそろ射精したいのも事実。
慣れないやよいの手だけじゃイクのは厳しそうだし、ここはお願いするのも悪くないかもしれない。
ここまできたらもう遠慮する必要性が無くなりつつある俺は素直にうなずいた。
「いいよ。だけど無理はするなよ。舐めるだけでも良いから」
「うっうー。了解です!」
元気な奴。
小さな口を精一杯広げ亀頭部分を口に含んだ。
流石に大きすぎるのか三分の一程度しか加えられない。
「ちゅ…くちゅ、ぷっ…ごほっ、ごほっ。ううぅー…」
それでも無理にでも進もうとしたのか途中で咽返り涙目になっていた。
「だから、無理するなって言っただろう」
「だって、プロデューサーに喜んで欲しかったから…」
「やよい……お前って奴は」
健気な台詞を吐くやよいに我慢が出来ず小さな体を精一杯抱きしめた。
「本当お前は世界一可愛いよ!」
「え、あ、そんな事無いですよ。結局プロデューサーを喜ばせれなかったですし……ごめなさいです」
照れ笑い浮かべるが舐める事が叶わない事に少し落ち込み気味だった。
どうしても俺に喜んで欲しい。
言葉ではなく行動で知りたい。
その気持ちを真摯に感じて一つの考えを提示した。
「だったら別の事でもやるか」
「別の…?」
「ああ、これならやよいも苦しくないし俺も気持ちいから」
「うー…うん」
小さく頷くやよいをジャッケトを床に敷き横たわせ覆いかぶさる。
「あ、あのプロデューサー…?」
「成るべく痛くないようにするからな。怖かったら言ってくれ」
「う、うん」
不安に目を曇らせるやよいを落ち着かせるように成るべく優しく笑いかける。
そのまま股下に手を忍ばせちょこんとパンツ越しに触れた。
「んっ!…」
「痛いか?」
「大丈夫、ちょっとくすぐったかっただけですー…」
「そうか…続けるぞ」
触れる度に声を上げびくびくと体を震わせる。
段々とパンツに染みが広がり湿っ気が増えぬちゃぬちゃと粘着質な音が聞こえてくる。
「凄いなやよい、もうびょちょびちょだ」
「うう…そんな事言わないでくださいぃ。お漏らしなんて恥ずかし過ぎます」
羞恥に顔を染める上げるやよいの頬に軽くキスをする。
「違うよ。これは、女性が気持ち良くなると出てくる液体だよ。やよいは俺の指で気持ち良くなってるんだよ。こうしてな」
人差指でパンツを横にずらし、中指でそっと綺麗なピンク色の秘唇に指を触れゆっくりと中に入れる。
「あっ。ん!はぁ…ふぁ……」
ちゅくと音を立てて穢れを知らない純潔の膣内は入った指を押しつぶしそうなぐらい締め上げる。
刺激する度に声を上げるやよいは初めて感じる感覚にされるままに震えていた。
「ぷ、プロデューサーなんか変ですぅ……体がふわふわして自分の体じゃないみたいで」
「気持ち良くないか?」
「うぅ…痛くはないんですけど。なんかくすぐったいような、かゆいような、よく分からないです」
「やよいは…オナニーってした事無いのか」
素では聞けない事をそれとなく聞いてみる。
反応を見る限り大体の予想はつくが。
「オナ…ニー?なんですか、それは。食べ物なんですか?」
くくっ。食べ物と言う回答は予想してなかった……笑ってはいけない。
やよいは何も知らないんだし、だが…だめだ、自然に笑ってしまう。
「プロデューサー、横を向いてどうしたんですか?私、何か可笑しい事を言いましたか」
「い、いや。やよいは何も悪くないよ。ただ、やよいの無垢さに感動してるだけだから…くくっ」
「?」
俺の言葉の意味が分からないのか首を傾げていた。
本当に可愛い奴。
何も知らない純粋無垢な少女を俺色の染め上げれるそう思うと無性に興奮する。
「オナニーって言うのはな。こうして自分の大事な所を触りながら好きな人の事を思って気持ち良くなる行為を言うんだよ」
「そうなんっ!…ですぅ…か?」
「そう思うと気持ち良くならないか?」
「え、えっと……」
刺激を続けながら聞くとやよいはやはり複雑そうな顔にしていた。
まだやよいには早かったか。
しかし、体が喜んでいることは確か。
その証拠にやよいの秘唇はまるでお漏らしをしたかのようにパンツにぐっしょりと染みを浮かべていた。
「追々、分かる。それよりも先に進むぞ」
これだけ濡れていれば問題はないだろう。
やよいの足を上に持ち上げてぴっちりと閉じ股と足の間に小さな空間を作った。
「あ、あのプロデューサー…?」
「怖いか?」
「少しだけ…な、何をするんですか」
「見ていいれば分かる。怖いならならこうして手を握っていてやるから少しは大丈夫だろう」
「は、はい…」
「じゃ入れるぞ」
秘唇から溢れる愛液を着けて股と両足の間の穴にゆっくりと怒張した肉棒を入れた。
俗に言う素股という行為だ。
柔らかい肌とざらざらと感じる下着の感触が肉棒全体に伝わり何とも言えず気持ちが良かった。
そのまま濡れそぼる秘唇を擦るように腰を動かし、愛液のお陰で丁度良い潤滑剤となっていた。
「痛くはないか」
「だ、大丈夫です。ちょっと、くすぐったいぐらいで…それに」
「それに、なんだ?」
「な、何でも無いです」
やよいが何を言おうとしていたのか知らないが、俺は目先の快楽に熱中していた。
先程から中途半端に刺激され固く充血している肉棒はかなり限界が近い。
微妙に角度を変えたりして刺激を与え続ける。
「ん、はぁ…あ、ん……ぁん、くぅ…あぁ」
「っ、駄目だ。出る!」
何とも情けないが、高まった劣情と相まって今回のミニライブの準備で最近疎かになっていた肉棒は限界は直ぐに訪れようとしていた。
そのまま、ストロークを続け欲望のまま腰を動かす。
愛液の音と互いの声が重なり控室に淫らな旋律が響く。
「くっ、いくぞ。やよい!」
「ぷ、プロデュー…サー。ひっ、ん、ああぁあ」
勢いよく股から抜き限界を超えた肉棒から迸る白濁液をやよいのパンツにかける。
段々と可愛らしかったピンクの無地の下着は白く変わっていき、やよいの愛液と重なり妙にエロティックになっていた。
その光景に更に劣情が生まれ、手で擦り夢中で射精を続けた。
一体どれほど、射精をしたのだろうか完全に消沈した肉棒に俺は興奮を覚めて冷静に見るとやよいの下着は見るも無残な姿になっていた。
「ご、ごめん。俺興奮して、こんなに…汚して……」
「い、いえ。別に良いんです。こんなにも出してくれてたって事はプロデューサーも喜んでくれたって事ですよね」
「まぁー…そうなるかな」
すっかり小さくなった肉棒を見てやよいは何処か満足気味に見えた。
「それだと私も嬉しいですから……でも男の人ってこんなに熱いのが出るんですね」
パンツにこびりついた精液を指ですくい匂いを嗅いだ。
「変な匂い…ぺろ。それに、味も変です」
「お、おい!何でも口に含むな!!」
「ふぇ?もしかして体に悪かったですか」
「い、いや。悪くはないとは思うが……それって何か知ってるのか?」
「えっと……ヨーグルト…ですか?」
いや、それは流石に笑えない。
市販されてるヨーグルトが精液で出来ていたらもうびっくりな真事実だ。
思わず引きつる笑顔を浮かべる俺は恋よりも先にまずは常識と言うものを教えないと色々と不味い気がしてきた。
それに…。

ぐぅ~~~…

不意に空腹の虫が聞こえて互いに目を合わせお互いに笑ってしまう。
やよいは、恥ずかしそうに頬を染め「えへへ」っと照れ笑いを浮かべていた。
「ま、なんだな。…午後の公演まではまだまだ時間があるし着替えてから何か食べに行くか」
「は、はい!」
元気にガッツポーズを取る、やよいの頭を撫でた。
俺はプロデューサーとして最低の選択をしてしまったかもしれない。
無邪気に喜ぶこの子は何も知らないだろうが、この先にはきっと色んな障害が出て来ると思う。
これから俺達がどうなるかも、何時まで一緒に入れるかも分からないけど。
だけど……
「プロデューサー?」
「やよい…これからもずっと一緒にいような」
「え…えへへっ。わ、私もプロデューサーとずーと一緒に居たいです!」
腕にしがみつき俺だけに見せるこの笑顔が何時までも傍にあり続ける事を心の中に深く願った。

~End~



***後書き***
やよいのエロエロSSです。
最近こればっか書いてる気がしますね。
ネタが尽きてると言うのもあります。
やっぱりやよいにお兄ちゃんと呼ばれるととても興奮しますね。w(もちろん性的な意味で)
次は何を書くか決めてませんがアイマス書くなら雪歩当たりいきたいなーとは思ってます。
東鳩2のエロも書いてみたい気もします。




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