※これは作者の偏見と妄想一杯で作った全くの架空のストーリーです。遊戯王やモンコレや東鳩2の元のストーリーは関係無  いっす。かなり『やっちまったぜー』感がありますけど、遊戯王みたいなバトルが好きな方でそれでもOKと言う方読んでく   ださいな。(;´ワ`ゝ)
  かなりご都合でルールをアレンジしてますので何か治した方が良い所があったら、コメよろしくです。
  バトルの方法なも、指摘があれば御願いしまっす。

「それじゃ、始めよっか」
「…ああ」
何でこんな事になってるのか激しく疑問です。
放課後、屋上に出て対峙する俺とミルファ。俺の後ろには必死に応援をする雄二の姿が見える。
俺達が始めようとしているのは、広い世代に人気のカードゲーム。
その名は『モンスターマスター』。
モンスターカード、装備カード、儀式カード、魔法カード、地形カードを使い先に相手のライフを0にした方が勝ちと言う戦略性が試されるゲームだ。
しかも、今ではデュエルディスクと言われる、専用機器がありそれをしようするとあたかもモンスターを自分で召喚してるかのように目の前にビジョンが現れてよりリアルに戦えるようになっている。
ただ、デュエルディスクは衝撃も体感できる故にプレイヤーの披露も高いが。

そして、俺とミルファの左腕には、デュエルディスクがはめられており後はゲーム開始の宣言をするだけだ。
ミルファは嬉しそうに笑っていた。
「ふふっ、私が勝ってあんな事やこんな事してもらうんだから♪楽しみだなー」
「…勝っても、俺は一つしか聞かないぞ」
「貴明俺の為に勝てよ!!」
気が滅入る様な雄二の応援を受けながら俺は渋々構える。
「デュエル!」
「デュエル!」
俺達の宣言が合図に、デュエルディスクが反応し勝負開始のゴングが鳴った。


さて、何でこんな展開になってるか少し説明をしよう。
それは少し前に戻るが、昼休みの時だった。
俺は相変わらず雄二と一緒に昼飯を食っていた。
教室で一緒に雄二と昼食を摂っていると、何時もは無駄に元気な雄二が妙に神妙な顔をしていた。
知ってて無視してたが、いい加減気になってきた…たく、しょうがねぇーな。
「雄二、どうしたんだ」
「貴明…ちょっとな」
言い辛そうに言葉を濁す雄二に手に持ったカツサンドを机に置いて俺は聞き返す。
「何だよ、偉く歯切れ悪いな。悩み事か?」
「まぁ…な」
「俺で良ければ相談に乗るぜ。ま、変態チックな事は却下するが」
「するか!お前は俺を何だと思ってんだよ!!」
「だってお前何時も何時もメイド萌えーとか、ほざいてるじゃん。俺から見たら十分変態だぞ」
「馬鹿、メイドは心のオアシスだぞ。それを、変態の一言で片づけるなんて…」
「あーもー、分かった分かったから。話を進めろ!うざい」
俺の軽口に、凄い剣幕でご自慢のメイド論を説こうとする雄二を宥めながら話を進めるように言う。
「たくよ~、こっちは真剣に悩んでんだから茶化すなよ」
「悪かったって。で、どうしたんだよ」
「ああ、実はなこれに出ようと思ってるんだけどよ…」
そう言って自分の鞄から、ある雑誌を取りだす。
それは、モンスターマスターの情報を中心に乗っている雑誌。雄二が開いたページには約一カ月後にある、大会の詳細が記載されていた。
規模的には大きく相当な数を募集していた。
「これに出たいのか?」
「ああ、出たいんだけどよ。これの参加条件見てくれよ」
「ん?」
良く見てみると、参加条件は男女ペアで出場するタッグマッチ戦だった。
ああ、これだと俺と一緒にも出る事は出来ないな。
雄二の奴だと、女友達は少ないし無理か…こいつ、変態だしな。
そんな事だろうと思った俺は、気の抜けた口調で適当に話を合わせる。
「そんなに出たいんなら、誰か誘ってれば良いだろう?」
だけど俺の言葉に雄二は急に頭を抱え始めた。
「それが出来れば苦労しんわ!貴明も知ってるだろう、男女ペアのマスター大会の妙なジンクス……」
「ん?ああー、聞いた事はあるな。確かペアで出て優勝すれば相思相愛になれるって言う奴か。んなデマ、誰が流してんだろうな」
「デマじゃねー!マジだって!!ネットでも色々と言われてるんだからな。くっそ~、女性の間でも結構有名になってるし大体断られるんだよ」
おいおい、それって出る前から優勝する気満々か雄二よ。
それは、余裕のつもりか雄二。
「別に優勝できるとは限らんだろう。雄二お得意の甘い言葉で誘ったらどうだ」
「ちっ簡単に言ってくれるな。それりゃーモテ男のお前からすりゃ、直ぐにペアを組んでくれる相手も豊富だろうぜ」
ん、待て。それって俺の事か?
「俺はモテてないぞ」
否定する俺だが、対する雄二は“こいつ分かってねーじゃんね?”的な相当な非難な目を逆に向けてきていた。
俺そんな変な事を言ったか?
微妙な反応をする俺に雄二は羨ましい様な恨めしい様な目を向けてわざとらしく大袈裟なぐらい大きな溜息を吐いた。微妙な雰囲気を俺達の間に漂っているのを感じながら俺は残りのカツサンドを口に入れる。食い終わる頃になると、いきなり俺の後ろから柔らかい感触が伝わってきた。
「何見てるの、貴明~~」
俺の首に腕を回し可愛らしい声が聞こえて誰かが抱きついてきた。
そう惜しげもなくその自慢の巨胸を押しつけて抱きつくのは、自称俺の嫁さんミルファだ。
そう自称だ。
俺達は決して付き合ってない。
柔らかい感触に思わずにやけてしまうが、断じてない。
「…ゆ、雄二が新しいモンスターマスターの大会に出たいって話をしてるんだ」
俺は内心、どきまぎする鼓動を必死に抑えながら何時も通りに返事をした。
ちょっと出だしに噛んだのは愛嬌だ。
「へぇー、これなの」
「お、おい!」
机の上に雑誌を見やすいように俺の背中に抱きついたままミルファは更に体重をかけて俺ごと前かがみの格好になった。
ちょ、ちょっと。む、胸の感触が凄い事になってるんですけど!?
更に焦る俺を知ってか知らずか俺にくっ付きながら呑気に雑誌のページを読んでいた。
「へぇー男女ペア限定なんだ。珍しいね、これ」
「あ、ああ」
「ふーん…雄二君はこれに出たいの?」
さっきから殺気交じりの視線を向けていた雄二はミルファの言葉に相槌をうつ。
「おう!良かったらさミルファちゃん、一緒に…」
「ごめん、パス」
言い終わる前に速攻で拒否られる雄二。
固まる雄二がちょっと不憫だった。
「だって、これってあれでしょう。デュエリストの間でも噂になってる優勝すると相思相愛になれるって言う奴でしょう。私、貴明以外の人は興味ないし」
あ、雄二の奴完全に崩れた。
ちょっと雄二が不憫に思えた俺はミルファにそれとなく勧める。
「いや、出るぐらいは良いんじゃないか。優勝できる保証もないし、雄二の事は別に嫌いじゃないだろう」
「そうだけどさ…貴明は私が雄二君と一緒に出ても良いの?」
ちょっとイジケタ様な言葉に俺は思わず、唾を飲んだ。
「ど、どういう意味だ?」
「優勝しちゃったら、私と雄二君付き合うかもよ?貴明はそれでも良いのかな?」
「あ、あれは、あくまで噂だろう!噂…」
思わず否定するが俺の内心は相当焦っていた。
な、何で俺こんな動揺してんだ?
自分の感情の意味が分からない俺は、忙しなく視線を泳がせていた。
焦る俺の反応を見たミルファは何処か嬉しそうに小悪魔的な妖艶の表情をして俺を見つめていた。
「ふふっ、ま。どうしてもって言うなら、別に雄二君と一緒に出てあげても良いよ」
「ほ、本当か!?」
その言葉に、崩れた雄二が電光石火の勢いで復活しミルファの手を握っていた。
そんな雄二に、ミルファは笑いかけた。
「うん。本当、だけど条件があるわ。それは…」


それが、デュエルで勝負っか。
俺が勝ったら、雄二と一緒に出る。
ミルファが勝ったら、俺はミルファの言う事を一つ聞く事。
って、何でこんな事になってるんだ…俺のメリットが何一つないじゃないか。
雄二とやれば…って雄二だと、速攻で終わりそうだな。あいつ、可愛い見た目でしかデッキ組んでねぇーし。
ミルファの方を見ると、やる気十分でこの状況を楽しんでる雰囲気が伝わってきた。
対する俺は複雑な心境だ。
正直、俺はミルファの事を何とも思ってない。
たまに鬱陶しいと思う事もあった。
だけど、最初はそう思っていた筈だったけど、最近はちょっと変わった様な気がする。
ミルファの事が気になる様になっていた。
そうだ。これで俺が勝てばミルファが雄二と一緒にあの大会に出る事になりもし優勝してあの噂が本当で、二人が付き合うと思うとどうもむしゃくしゃする。
それの理由は俺には分からなかった…

「じゃ、貴明。私の先行で行くね。カードドロー!私は、バードマン攻撃隊長を攻撃表示で召喚。そして、攻撃隊長の特殊能力発動、手札にバードマンと付く名の他のカードがある場合、場に特殊召喚できる。私は、バードマン斬り込み隊とバードマン偵察隊を攻撃表示で召喚。一枚カードを伏せて、ターンエンド」

バードマン攻撃隊長:LV2 ATK1000 DEF500
バードマン斬り込み隊:LV2 ATK1500 DEF500
バードマン偵察隊:LV2 ATK1000 DEF500

ミルファ:手札3枚


一気に三体の召喚か…ミルファとは何回も勝負してるから大体のデッキの構成は分かる。ミルファのデッキは同名のユニットを呼ぶ連鎖召喚デッキだ。それに一体のユニットに、他者の能力を上げる特殊能力を持っている。
そのせいか余り攻撃の力の高いユニットはそんなに多くない。
だが、舐めてかかると連携コンボで一瞬で終わってしまう事も否めない。
俺とミルファの実力は五分五分。
今は気持ちを切り替えて、行かないと負ける。

「俺のターンドロー!」
確か、バードマン攻撃隊長の効果はこっちが指定した攻撃の対象を他のバードマンが守り攻撃対象が変わる効果だった筈。
一番強いのは、斬り込み隊か…1500以上の攻撃力のモンスターを出さないと返り討ちに合う。
それに、伏せカードも気になるが…
「俺は永続魔法、叫び声の響く森を発動する。これは、場にモンスターが居ない場合手札からレベル4以下のアンデット、ゴーストのモンスターを一体特殊召喚出来る。俺は手札からからホーントを召喚。ホーントを攻撃隊長に攻撃!」

ホーント:LV2 ATK0 DEF500
ATK0-1000=1000
貴明LP8000-1000=7000

ホーント撃破

「ちょっと。貴明本気なの?攻撃力ゼロのモンスターで攻撃するなんて…」
「いや、これでいいんだ。ホーントの特殊能力発動!このユニットは、破壊された時相手モンスター一体を破壊する!俺が選ぶのはバードマンの攻撃隊長。さぁ墓地に行って貰うぜ」
よし、これでミルファのフィールドに隊長が居なくなった。これで攻撃が通る!
「更に、俺のフィールドにモンスターが居なくなった事で永続魔法の効果発動。俺は手札からファントムを特殊召喚!そして、死人使いネビロスを通常召喚する」

ファントム:レベル4 ATK? DEF1500
死人使いネビロス:レベル3 ATK1500 DEF1000


「ゴーストの攻撃力は、俺の手札の枚数によって決まる。俺の手札は3枚よって攻撃力は3000!」

ゴースト:レベル4 ATK3000 DEF1500

「そして、ネビロスの効果発動。ネビロスはフィールドに存在する種族アンデット、ゴーストの攻撃力、防御力を500上げる」

ゴースト:レベル4 ATK3500 DEF2000

よしこれで、ミルファに大ダメージを与えられる!行くぜ!!
「ネビロスで、バードマン偵察隊を攻撃!!」

ATK1500-1000=500
ミルファLP8000-500=7500


これで、後はバードマン斬り込み隊を攻撃すればユニットは居なくなるぜ!
「ファントムで、斬り込み隊を攻撃!!」
「まだよ!リバースカードオープン!!カレッジの亀甲羅!!」
「何!?」
あれは、確かテキストにアイテム装備効果があるモンスターに装備出来るカード。効果は確かディフェンダーを付与する……やばい!!
ディファンダーとは装備モンスターが、相手に攻撃された時自分の攻撃力を三倍に上げる効果を持つ。つまり…
ミルファの策略が分かった俺だが、一度攻撃宣言をしてしまった以上止める事は出来ない。

ATK3500-4500(1500×3)=1500
貴明LP7500-1500=6000


「くっ、ファントムが…」
俺の焦りの表情を見たミルファは、片目を閉じでウィンクしてきた。
「伏せカードを警戒しないなんて、迂闊だよ貴明」
「くっー。やるじゃないかミルファ。俺はファントムの特殊能力発動し手札を一枚捨てる事で、墓地に居るファントムを手札に加える。そして、俺はカードを一枚伏せてターンエンドだ」

貴明手札:二枚

ちっ、もう俺のLPは半分に行っちまうか…流石ミルファ、強いぜ。それに俺の戦法を知りつくしてやがる。
やっぱりミルファとのデュエルが一番心が躍る。
彼女と会ってからのデュエルは、今までで一番高ぶる。
それはデュエルを通してミルファが俺に向ける気持ちが本心だと伝わってきたからだ。
このままずっと居れれば良いと…そう思う時がある。
なら、俺は何で彼女の気持ちに答えないんだ?

「私のターン。ドロー!私は手札から、シルバーファルコンを召喚!!」
…今は、デュエルに集中するしかない。

シルバーファルコン:LV1 ATK500 DEF500

「シルバーファルコンの特殊能力。長距離ユニットは、プレイヤーにダイレクトアタックが出来る!ファルコン行って!!」
「くっ!?」

貴明LP6500-500=6000

「そして、ファルコンを生贄に私はバードマン長距離遊撃隊を召喚!」

バードマン長距離爆撃隊:LV4 ATK1800 DEF1000

あれも確か、長距離ユニットだった筈…またダイレクトアタックが来るか。
「既に、行動を完了したユニットを生贄にしたから、長距離隊で通常攻撃は出来ないけどこれにはファルコンと同じ特殊能力がある。行って、長距離隊プレイヤーにダイレクトアタック!!」
くっ…これ以上ダメージを食らったら不味い!!
「トラップカードオープン!生贄の糧!!このカードはダイレクトアタック限定で、手札のユニットを守備表示で特殊召喚し攻撃を受け流す事が出来る。俺は、バンシーを召喚!!」

バンシー:ATK0 DEF500
バンシー撃破。

守備表示だから、俺へのダメージはないそれに、これで!!
「この瞬間バンシーの特殊能力発動!!このユニットは、攻撃により死亡した時フィールドに居る全てのモンスターを破壊する事が出来る。金切り声!!」
破壊されたバンシーの、悲痛な叫びを受けて俺のフィールドのネビロスとミルファのモンスター二体が破壊され墓地へと消えた。
「流石ね、貴明。それでこそ、永遠の私のパートナーだよ」
「だ、誰がだ。誰が」
「ふふっ、照れちゃって可愛いな~♪私はこのままターンエンドよ」

ミルファ:手札二枚

これで、お互いにフィールドにモンスターは居ない。
攻撃するなら今がチャンス。
だけど、俺の手札は僅かに一枚…永続魔法の効果でファントムをコストなしで召喚できるがそれでも攻撃力は僅かに1000。
このターンで、他のユニットを出すカードを引けなければミルファとのLPの差が更に開く。
それに俺が負ければ、ミルファは雄二と一緒にタッグ大会に出なくなるじゃないか。
なら負けても……くそっ、何でこんなに気になるんだよ!!

「貴明、どうしたの?貴方のターンよ」
「あ、ああ。分かってる。カードドロー!」
手が止まってる俺を、訝しげに見つめるミルファの声に我に返りカードを引く。
引いたカードは…カース・ゲート。
手札、デッキ、墓地から闇属性のレベル6までのユニットを一体特殊召喚できるカードだ。
来た!!これを使えば起死回生が出来る!
だが…良いのか?確かにこれを使えば勝てる可能性が上がる。
それで本当に俺は勝っても良いのか…俺は…糞っ、何でこんなにむしゃくしゃするんだよ。
手札を握る手が震える。
まともにミルファの顔が見えない俺は、顔を伏せてしまう。
そうだ、手が無いんだ。このまま負けても、俺は……。
「俺は…場にファントムを…」
「貴明、駄目!!」
ミルファの叫び声に、俺は驚き出そうとしていたカードを止める。
顔を上げると、ミルファは目を吊り上げて俺を怒りの表情で睨んでいた。
「貴明!ちゃんと、本気で私とデュエルして!半端な心で私を見ないで!」
「ミルファ…?」
「私は、口は悪くても優しくて、だけどデュエルには一生懸命で純粋な貴明が大好きだから。私は、絶対に負けない。だから、どんな結果になってもどんな結末になっても貴明は私から逃げないで!」
ミルファの心の叫びが俺の中に入る込む。
その言葉は俺の中の迷いを溶かして行った。
あるデュエリストが言ってたな、デュエルは魂が心が交える物だと。
ならば、手を抜く事はミルファの思いを踏みにじる事になる。
俺は…馬鹿だな。
先程まで情けなく悩んでいた自分に思わず笑みが零れる。

「分かった。ミルファ、俺は全力で勝ちに行くぜ!」
「うん!来て貴明」
有難う、ミルファ。お前の言葉で吹っ切れたぜ。
仮にこのまま俺が勝っても、俺は諦めない!
今度は俺がお前を追いかけてやるぜ!!!
「俺は、手札からカース・ゲートを発動!この効果により俺はデッキから、レベル6のユニット“骸骨の魔術師”を攻撃表示で特殊召喚!!」

骸骨の魔術師:レベル6  ATK2500 DEF2500

「更に、骸骨の魔術師の特殊能力発動、魂の吸収。ライフを1000払う事で一度だけ、このターン使った魔法カードをもう一度使用する事が出来る。俺はカース・ゲートを使うぜ!」

貴明LP:6000-1000=5000

「そして、カース・ゲートを使い俺はデッキにある、このカード。俺のデッキの中の最強最悪の龍、ラドーンを特殊召喚!!大いなる巨竜よ、猛るその力を俺に示せ!」

ラドーン:レベル6  ATK4000 DEF4000

フィールドにセットをし、ソリットビジョンに映し出された姿はより強大な禍々しい龍が現れた。ラドーンはレベル6であるが、その攻撃力、守備力はレベル8に相当する力を持つ魔龍だ。
だが…
「ラドーンは、自らの特殊能力、“手に負えない”によって召喚のターンに攻撃は出来ない。だが俺は、骸骨の魔術師でミルファにダイレクトアタックするぜ!」
俺の命令に反応して骸骨の魔術師が、ミルファを襲う。
「きゃあ!!」

ミルファLP:8000-2500=5500

「や、やるじゃない貴明。僅か1ターンでこんな強力なユニットを召喚するなんて」
「ふっ、まだまだ驚くのは早いぜミルファ。俺は手札のファントムを墓地に送り骸骨の魔術師の特殊能力を発動する。手札の闇属性ユニットを一体捨てる事により、捨てたユニットのレベル分のカードをドロー出来る。ファントムのレベルは4、俺は手札を4枚ドローするぜ」
場のユニットと手札を増強した俺に、ミルファは驚嘆した目を向けていた。
その視線には尊敬と愛情の両方が入り混じっている感じだった。
俺は、ミルファの思いを誤魔化す事無く受とめて不敵に笑い返す。
「俺のターンは、終了だ。来いミルファ!」

貴明手札 4枚

「うん、私のターンドロー!」
ミルファのフィールドにはユニットは居ない。
ミルファのデッキは基本的に攻撃力が低いユニットがメインだ。
僅か一ターンでは、俺のラドーンを超える攻撃力のユニットはそうそう召喚出来ないだろう。
余裕の笑みを浮かべる俺だが、ドローしたカードを見てミルファの表情は追い込まれた者の様な焦りの顔ではなかった。
むしろ、俺と同じ余裕な表情の……まさかミルファの奴!?
「そう言う事。私も、貴明と同じ事をさせてもらうね。私は魔法カード、エア・ゲート発動!レベル6以下の風属性ユニットを特殊召喚する。私はストーム・ドラゴンを召喚するわ」

ストーム・ドラゴン:レベル6 ATK2500 DEF2000

ストーム・ドラゴンか。六属性の中で風の上級ドラゴン族ユニット。
だが、そいつの攻撃力じゃ骸骨の魔術師ぐらいしか倒せない。
だが、ミルファの追撃はそれで終わらなかった。
「更に私は、手札から魔法カード、レジェンド・ドラゴン・ハートを発動!」
「そ、それは!?まさか!!」
「そうだよ。このカードは、フィールドに居る4属性の4大龍の進化を足すカード、勿論これを適用するのはストーム・ドラゴン!古の契約により、真の姿を示しなさい!」
発動した魔法カードから現れる光の束がストームドラゴンを包み込み、まるで光の卵の様に変わった。そして、光が弾けた時に現れたストームドラゴンの姿は更に雄々しく更に神々しく生まれ変わっていた。
「これが、ストームドラゴンの究極形態、スペリオル・ストーム・ドラゴンよ!」
ビジョンであるにも関わらずシャイ二ング・ストーム・ドラゴンの咆哮は俺に激しい緊張と威圧感を肌に感じさせていた。

シャイン二グ・ストーム・ドラゴン:レベル7 ATK3500 DEF3000

「くっ、だが、S・Sドラゴンじゃ俺のラドーンは倒せない!」
そう、仮に骸骨の魔術師を撃破されても俺のライフは残り、S・Sドラゴンも次のターンの俺の攻撃で撃破される。
「分かってる。だから、S・Sドラゴンの特殊能力発動をするわ!このユニットが行動完了をしてない場合、自らのライフを支払い相手のユニットの攻撃力の差異プラス500ポイント分を一ターンの間上げる事が出来る」
「な!?」
ラドーンと、S・Sドラゴンの差異は500…と言う事はミルファがLPを1000ポイント支払い俺のラドーンの攻撃力を超えて破壊されるって事か!?
「行くよ、S・Sドラゴン。スペリオル・ボルト・バースト!!」
S・Sドラゴンの放つ、強大な電激の一撃がラドーンを飲み込み耳を貫く破壊音を響かせながら跡形もなく撃破した。

ミルファLP:5500-1000=4500
貴明 LP:5000-500=4500


「くっ、ラドーンが!」
「スペリオル・ボルト・ブレスを使った場合、S・Sドラゴンは通常攻撃は出来ない。カードを一枚セットして、ターンエンドよ」

ミルファ:手札0枚

くっそ…まさか攻撃する事もなくラドーンが撃破されるなんてなんて引きの良さだミルファは。
全く…これだから、ミルファとのデュエルは止められない。
今さら気づくなんて、俺も相当馬鹿だが。
目を閉じて、俺は精神を統一する。このドローで俺の運命は決まる。
SSドラゴンを倒せる鍵カードを引けなければ俺の負けだ…
俺はカードを信じるぜ!
「俺のターンドロー!」
引いたカード見る……くっ、赤き死の天使か。
こいつはレベル7だ。
召喚するには二体の生贄が必要だ…駄目なのか。
俺の手札のユニットカードは、レベル4のデュラハンと赤き死の天使だけ。
場には、骸骨の魔術師と永続魔法だけか……永続魔法?確か…そうか!
このコンボなら倒せる!
「俺は、永続魔法叫び声の響く森の効果でコストなしでデュラハンを場に特殊召喚する。そして、場に居る骸骨の魔術師とデュラハンを生贄に、出でよ。天界より追放されし血塗られた墜落の天使、赤き死の天使召喚!!」

赤き死の天使:レベル7  ATK2500 DEF2500

「二体もの生贄を使ってその程度のユニットを出すなんて、勝負を諦めたの貴明」
俺の出したユニットの攻撃力を見て、ミルファは余裕の笑みを浮かべる。
だが、俺は諦めたつもりは毛頭ない!
「いや、勝つ気満々さ。それにな、こいつには特殊能力があるんだよ」
「何ですって?」
「レベルを上げた事が災いとなったなミルファ!俺のフィールドの叫び声を響く森をコストに赤き死の天使の特殊能力発動!赤き死の仮面!!」
これは、魔法、儀式カードをコストにフィールドに自分以外の全てのユニットを対象にユニットのレベルが奇数の場合、そのカードを全て破壊する効果を持つ!
仮面から発する不気味な光がフィールド全体に行きわたり、S・Sドラゴンは苦しみ初め徐々に塵とかしてゆく。
「わ、私のS・Sドラゴンが!?」
「これで、ミルファを守るカードは居ないぜ。行け、赤き死の天使ダイレクトアタック!!」
「きゃぁーー!」

ミルファ:LP4000-2500=1500

これで、初めて俺のLPがミルファのLPを抜いた。
次のターンを凌ぎ切って、俺が攻撃すれば勝ちだ。
「カードを二枚セットし、ターンエンドだ」

貴明手札:一枚

エンド宣言をした俺をミルファは神妙な面持ちで見つめてきた。
ミルファの最上級ユニットであるS・Sドラゴンが破壊された事がかなりショックなのだろう。


まさか、S・Sドラゴンが破壊されるなんて…やってくれるわね貴明。
でも私だって負けない!
私のアイデンティティーは、どんな険しい道でも風の様に突っ走るだけ。
そして、欲しい物を自分で手に入れるの!
「私のターンドロー!」
お願い、答えて私のデッキ。あのカードさえこれば私は勝てるの!
……やった!!

ん?ミルファの表情が変わった何か来るか。
「貴明、これで終わりにしてあげるわ。儀式カードオープン、フェアリーダンス!!」
フェアリーダンス。あれは確か、デッキにあるレベル3以下のスピリット系のユニットを三枚場に出すカード。そんな弱ユニットを出して何をしようと…
「私は、デッキの中にあるピクシー三体を場に特殊召喚。そして、今私の場に生贄となる三体のユニットが揃ったわ!」
「生贄…まさか!!」
「そう、レベル8の最上級レベルのユニットを呼ばせて貰うわ。私は…」
ちっ、させるか!
「儀式カードオープン!デス・スペル。これは、相手が魔法、儀式カード使った時に使用できそれがユニットの召喚だった場合一体破壊できる!」
デス・スペルの効果により、ミルファの生贄のピクシーは一体消えた。
これで、レベル8のユニットは召喚出来ない。
だけど、生贄のユニットが破壊されたと言うのにミルファは笑っていた。
「ふふっ、かかったわね。貴明」
「な…んだと?」
「貴明、ピクシーの能力忘れたの」
ピクシーの能力?…レベル1の弱ユニット。だが、魔法・儀式カードで召喚され、魔法・儀式効果で破壊された場合相手の儀式・魔法カードをこのターンに使用できなくする。そしてもう一つ…
「し、しまった!」
「そうよ、ピクシーの特殊能力“悪戯好き”は魔法、儀式カウンターに置いて最高の糧となるの。そして効果発動、このターン呼び出すユニット一体のレベルを一つ落とし、私は二体のピクシーを生贄に……大空を舞う最強の巨獣、ロックを召喚するわ!!」

ロック:レベル7 ATK4500 DEF2500

「ロ、ロックだと!?」
あ、あれは確か長距離ユニット…って事は。
「そう、ユニットを無視してプレイヤーにダイレクトアタックが出来るカード。ただし、ロックの特殊効果を使うと手札を全て捨てなければいけない。でも、私の手札はゼロ。このままノーコストでアタックするわ!」
俺の伏せカードは、ピクシーの効果でこのターンは使えない。
くっ!!
「うおぉおぉぉぉぉぉぉ~~~~~~~~~~~~~!!」
ロックの巨大な衝撃に軽く吹き飛ばされながら俺の叫び声は屋上に轟かせた。
そしてライフがゼロのなり俺の負けが決定したのだった。


「うっ…俺は」
目を開けると外は既に陽が落ちかけて薄暗くなっていた。
「起きた、貴明」
「ミルファか…そうか、俺負けたんだな」
倒れている俺を何処か温かい瞳で見つめるミルファ。 負けた上にデュエルディスクのバトルで精神力を使い果たした結果気絶したのか。何とも情けない姿だ。
妙に柔らかい感触が頭に伝わるが多分、ミルファが膝枕をしてくれてるのだろう。
背中に感じるコンクリートの感触とは打って変わって気持ちい事この上ないが恥ずかしいからあえて指摘はしないでおこう。
照れて顔をそむける俺の頭をミルファは優しく撫でた。
「これで、26勝25敗だね。やっと私の方が勝ち星多くなったね」
「そういえばそうだな。ミルファがこの学校に来てから、何度もデュエルしたもんな」
「そうそう。最初は、手も足も出なかったけど貴明のお陰でどうにか勝てるようになってきたし」
どうにかって、あれだけのコンボと引きの強さを持っていながらその台詞ですか。
全く、謙虚なのか強気なのか分からない発言だな、おい。
「そう言えば雄二は何処へ行った?」
「んー、貴明が負けたのを見て悔しそうにして泣きながら出て行ったよ。どうしたんだろうね」
ああ、そう言えば俺が勝ったらミルファは雄二と出る事になってたんだっけな。
今となってはどうでもいいっか。
屋上にそよぐ風を受けながら、暫く俺達は無言で居た。
そして、徐にミルファが口を開く。

「貴明…約束覚えてるよね」
「ああ、何でも言ってくれ。俺に出来る事ならやってやるよ」
「じゃ、貴明。……私の事どう思ってるか一度で良いからちゃんと本心を聞かせて」
「……」
真剣な目で見つめる、ミルファの言葉に俺は言葉が詰まる。
それは、デュエルの最中でも考えていた事でもあるからだ。
俺にとってミルファは……
「何時も私の強引なアプローチだけで、貴明の言葉は一度もちゃんと聞いてなかったし、最初は私を振り向かせようって思ってたけどやっぱり貴明からも好きになって貰った方が嬉しいし……ね、聞かせて」
頬を染めて聞くミルファが妙に可愛く俺の鼓動は激しく高鳴る。
俺は、デュエルの最中に感じた思い、気持ちを胸にぶっきら棒に伝えたのだった。
「……ふん。す、好きだよ、悪いか」
「ううん。嬉しいよ」
俺の初めて曝け出した本心にミルファは今までで見る中で一番嬉しそうに微笑んでいたのだった。

~終わり~



***後書き***

ニコ動の遊戯王×けいおんのコラボを見て書きたくなり思わずやっちゃいました。
でも、私は遊戯王のカードは余り知らないしルールもあまり知らないので、ぶっちゃけそれっぽく適当に組んでます。
なんで突っ込みどころは満載だと思いますけど、堪忍してください。
カードは主に門コレのモンスターを使用してます。
一部、攻撃力と防御力が違いますが、大体が表記の数値×500増しで計算してます。
ま、カードの効果は流石に違う風になってますけどね。
スペルとか、無いし。進軍もないし。

デッキはミルファは風属性の低レベル連携コンボが主流、基本バードマンとハーピィーで構成されてます。
ま、今回はバードマンしか出てこなかったけどね。w
天空の舞姫とか、北風のハーピーとかも出したかったです。
ちなみにスペリオル・ストーム・ドラゴンはアニメ、門コレナイトから取ってます。
他にも、ファイナルファイヤードラゴンとか、エンペラーアースドラゴンとか居たね。
あの存在を見た時は、普通に燃えたぜ。wwwwww
おっと、話がそれてしまった。
えっと、一応上位ユニットでミルファは三体所有してます。
それが、今回出てきた一体は最後に出てきたロックです。
門コレでもクローバー扱いの超レアカードだね。
残り二体のレベル八の最上級ユニットもいるけどそれは、今度出番があればかな?
一体はFFでも出てる有名な最強の幻獣です。
もう一体は昔のモンコレをやってないと分からないユニットかな。
あの攻撃力はヤバいって。

残り貴明のデッキは闇属性カード。
基本コスト性の特殊能力や墓地から蘇る能力を有しているカード達。
戦闘能力も中の上ぐらい。
以下に特殊能力を使うかがキモかなっと思ってます。
レベル八の最上級モンスターは出てこなかったけど、ある条件を満たせば最強最悪のユニットが出現するよ。
もう一体居るけど、こいつの能力も最悪だけど、使いどころを間違えるとヤバいかなってカード。
受けが良かったら他のキャラでもやってみようかなっと思ってます。
手持ちのカードの資料が無いので余り組めないかもしれんけど。(;^^)
昔は全カードが載ってる本を持ってたけど捨てちまったんだよねー。
マジ悔やまれる。
ちなみに、赤き死の天使のカードは、俺自身所有してないです。
オークションで効果を調べて、これだ!!と、ちぃんと来たので最後に使用しました。

でもこれって、全然東鳩2じゃないよね、うん。
完全にキャラ崩壊してる気がするな。(汗)
まーりゃん先輩ならこんなゲーム喜んでやりそうだけどね。w

でもニコ動みたいに東鳩2のオリカを使ってみたい気もする。
でも大変そうだからきっと御倉要りになりそうな予感だぜ。
キャラの効果とかなんか思いつくのあったら※宜しくです。www(結局他人頼みかYO!(;°Д°)

使用カード

アレンジで使用したカードはこれらです。(あ、斬り込み隊入れ忘れてる…)




スペリオルストームドラゴンとかは持ってない。
て言うか出ていないみたいなので、画像は無いです。
ミルファが使ったレジェンドドラゴンハートは、実在しないオリジナルなカードなのでこっちもなしです。


用語説明

デッキ
50枚一組であるカードの事。カードの種類の配分はプレイヤーによりけり。

ユニットカード
主に場に出て戦うカード。
レベル1~レベル8までいる。
レベル1~3までは、ノーコストで召喚。
レベル4~5は、一体の生贄で
レベル5~7は、二体の生贄で
レベル8、生贄三体で召喚。(レベル八にはある条件が無いと召喚出来ないカードもある)
コストのユニットの強さは関係ない。
規格外にレベル10もいるが、こいつは三体の生贄と特殊な方法をよういて召喚できる最強のカード。
属性は火、水、風、土、闇、光の6種類。
種族は多々ある。
ユニット形態でも、歩行、飛行、超飛行などもある。
魔法カードなどで受ける対象等で分けられる。
ちなみに、超飛行は基本飛行と同じ扱いだが一つ相手の場にユニットが直接攻撃が可能。
ただし、レベルの高い物の超飛行の特殊能力を使うと何かしらのコストが必要になる。
ロックの超飛行攻撃の様に手札を捨てるとか。

魔法カード
自分のフェイズなら何枚でも使えるカード。
ただし相手で使うなら、予め伏せて置かないと使えない。
永続魔法は、常に場に出続け効果を出すカード。
一部相手のユニットにまで効果が出るカードもある。

儀式カード
伏せて、初めて使用できるカード。
伏せて一ターン以上経過しないと、使えない。

武器カード
自分のユニットにアイテム使用可能なテキストが書かれたユニットが場に居る場合使用可能。
テキストにアイテム:1と書かれた場合、一ターンのその枚数のカードが使用可能。
主に消耗品、装備品がある。
消耗品でアイテムカウントを使ったらエンド宣言をしないと使えない、装備品は常に持つ為にその装備品を外さない限り使えない。

地形カード
魔法カードの同じで自分のターンに使用出来る。
永続魔法同様、常に効果が及ぶ…が、こっちは相手のユニットにも効果が出る。

特殊能力
一部のユニットに付与されてる能力。
発動条件、効果は疎らだが、レベルが高くなればコストが高くなり強力になる。
通常攻撃とは別に行えるが、一部は使用すると通常攻撃が出来なくなる者もある。
ディフェンダーは、相手の攻撃時に発動する特殊能力。
自分の攻撃力を三倍に上げる。
ちなみに自分のメインフェイズで、攻撃力を二倍に上げるチャージもある。

通常召喚/特殊召喚
通常召喚自分のメインフェイズに召喚する事。
主に一体だけ。
特殊召喚は、条件を満たせば何回も使える。
生贄を使用しての召喚は特殊召喚扱い。
一部は特殊召喚するとそのターンに攻撃出来ない者も存在する。

墓地
基本使用したカード、倒されたユニットカードが行く所の事。

場(フィールド)
ユニットを出して戦う場所の事。
全部で5体まで召喚可能。






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